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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 3.線溶系の検査

4) PIO

著者: 広沢信作1

所属機関: 1東京医科歯科大学第一内科

ページ範囲:P.158 - P.160

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原理・測定意義
 線溶系の活性化は,プラスミノゲンアクチベーター(plasminogen activator;PA)によりプラスミノゲン(plasminogen;PLG)がプラスミン(plasmin; PM)に変換されることにより起こる.血中に大量のPAが流入してフィブリノゲンが分解されたりする場合(一次線溶)やDICのように血管内にフィブリン血栓が生じたあとにフィブリンの分解が起こる場合(二次線溶)では線溶反応が亢進する.
 このようにプラスミンはフィブリノゲンやフィブリンを分解する.二次線溶では産生されたフィブリンの分解が起こり,FDPが増加するが,一次線溶の亢進ではフィブリノゲンも分解を受けることになる.線溶系の主体はプラスミンの形成であるので,形成されたプラスミンを測定するのが最もよいのであるが,α2PIによって阻害を速やかに受けるために測定しにくい.血中のα2-プラスミンインヒビター(α2-plasmininhibitor;α2PI)により,即時的に阻害されるが,阻害の結果,プラスミンとα2-プラスミンインヒビターの複合体(plasmin-α2-plasmin inhibitor complex;PIC)が形成される1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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