文献詳細
文献概要
特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 3.線溶系の検査
7) tPA/PA1-1複合体
著者: 三室淳1
所属機関: 1自治医科大学医学部血液医学研究部門止血血栓
ページ範囲:P.168 - P.169
文献購入ページに移動原理,測定意義
線溶系におけるtPAとPAI-1の意義については,PAI-1の項目で詳しく述べているので,併せて参照してほしい.tPAは,フィブリン分子の上でプラスミノゲンを活性化する特異性の高いセリン蛋白分解酵素であり(tPAの項目を参照),PAI-1はtPAを特異的に失活させるセリン蛋白分解酵素阻害因子である.PAI-1がtPAを失活させるために結合したもの(1:1で結合している)がtPA/PAI-1複合体(tPA/PAI-1)である.この状態ではtPAとPAI-1は強固に結合し,生理的状態では解離せず,tPA/PAI-1にはtPAの酵素活性もPAI-1のインヒビター活性もない.血栓溶解開始能は主にはtPAとPAI-1の動的なバランスによって決まってくる.
血漿tPA濃度は5~6ng/ml(約80 pmol/l)であるのに対し血漿PAI-1濃度は20~30 ng/ml (約400pmol/l)とPAI-1濃度はtPA濃度の約5倍である.
線溶系におけるtPAとPAI-1の意義については,PAI-1の項目で詳しく述べているので,併せて参照してほしい.tPAは,フィブリン分子の上でプラスミノゲンを活性化する特異性の高いセリン蛋白分解酵素であり(tPAの項目を参照),PAI-1はtPAを特異的に失活させるセリン蛋白分解酵素阻害因子である.PAI-1がtPAを失活させるために結合したもの(1:1で結合している)がtPA/PAI-1複合体(tPA/PAI-1)である.この状態ではtPAとPAI-1は強固に結合し,生理的状態では解離せず,tPA/PAI-1にはtPAの酵素活性もPAI-1のインヒビター活性もない.血栓溶解開始能は主にはtPAとPAI-1の動的なバランスによって決まってくる.
血漿tPA濃度は5~6ng/ml(約80 pmol/l)であるのに対し血漿PAI-1濃度は20~30 ng/ml (約400pmol/l)とPAI-1濃度はtPA濃度の約5倍である.
掲載誌情報