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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 3.線溶系の検査

9)Lp(a)

著者: 川合眞一1 淺沼ゆう1 鏑木淳一2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター 2東京電力病院内科

ページ範囲:P.173 - P.175

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はじめに
 Lp(a)[リポ蛋白(a),lipoprotein(a);LP(a)]は1963年にBerg1)により報告されたリポ蛋白である.当初は対象によって検出される例とされない例があるとされてきたが,より感度の高い測定法の開発によりほとんどの例に検出されることが明らかとなった.
 このLp(a)は動脈硬化の独立した危険因子として注目されている2).すなわち,血清Lp(a)濃度が高いと心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳血栓症などの動脈硬化病変の発症率が高いことが疫学的に示されてきたが,この間,Lp(a)が動脈硬化の発症に直接関与するか否かに関する証拠は明らかでなかった.1987年,McLeanら3)によりLp(a)を構成するアポリポ蛋白(a)[アポ(a)]の構造がプラスミノゲンと極めて類似していることが明らかにされたことにより,Lp(a)と線溶系との関係がにわかに脚光を浴びることになった.そこで本稿では,線溶系との関連を中心として,Lp(a)について概説したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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