文献詳細
文献概要
特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 4.血管内皮細胞の検査
1)トロンボモジュリン
著者: 井手章子1 丸山征郎1
所属機関: 1鹿児島大学医学部臨床検査医学教室
ページ範囲:P.177 - P.180
文献購入ページに移動はじめに
血管内皮細胞は強い抗血栓作用を有しているが,この抗血栓活性は主に4つの分子が担っている.すなわち,トロンボモジュリン(thrombomodulin;TM),プロスタサイクリン(PGI2),ヘパリン様分子,プラスミノゲンアクチベーターである医このうちTMはトロンビンと1:1で結合することにより本来凝固酵素であるトロンビンを抗凝固酵素に変換するという非常にユニークな作用を持つ1,2).すなわちTMと結合したトロンビンは血小板,フィブリノゲン,第Ⅴ,Ⅷ因子などに作用しなくなり,かわりにプロテインCの活性化能を1,000~2,000倍高めることによって抗凝固能を発揮する(図1).
血管内皮細胞は強い抗血栓作用を有しているが,この抗血栓活性は主に4つの分子が担っている.すなわち,トロンボモジュリン(thrombomodulin;TM),プロスタサイクリン(PGI2),ヘパリン様分子,プラスミノゲンアクチベーターである医このうちTMはトロンビンと1:1で結合することにより本来凝固酵素であるトロンビンを抗凝固酵素に変換するという非常にユニークな作用を持つ1,2).すなわちTMと結合したトロンビンは血小板,フィブリノゲン,第Ⅴ,Ⅷ因子などに作用しなくなり,かわりにプロテインCの活性化能を1,000~2,000倍高めることによって抗凝固能を発揮する(図1).
掲載誌情報