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特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 4.血管内皮細胞の検査
2) TFPI
著者: 久米田幸介1 加藤久雄2
所属機関: 1化学及血清療法研究所試薬・臨床検査部 2国立循環器病センター研究所病因部
ページ範囲:P.181 - P.185
文献購入ページに移動TFPI (tissue factor pathway inhibitor)は3つのKunitz型阻害領域(K1, K2, K3)を持つプロテアーゼインヒビターで,K2によりXa因子と結合することによりXa因子インヒビターとしての機能を持つとともに,K1によりⅦa因子と結合して,組織因子(tissue factor; TF)による血液凝固の開始反応を阻害する機能を持っている.TFPIの産生部位は血管内皮細胞が主であり,血管内皮細胞上のプロテオグリカンと結合して存在し,血管壁を抗凝固状態に保っている.また,TFPIは血流中にも存在し,その存在様式は,LDLやHDLのアポ蛋白部分と結合しているリポ蛋白質結合型と,リポ蛋白質と結合していない遊離型(free form)とに大別される1).ヘパリンの静脈投与により血管内皮細胞上のTFPIがfree formとして血液中に遊離するので,その増加量により血管内皮細胞結合型TFPIを測定することが可能となる.TFPIの測定にTFPIの活性をTF/Ⅶ aによるX因子の活性化反応の阻害作用により,Xa因子の合成基質を用いて測定する方法2,3)が一般に使用されてきた.一方,TFPI抗原測定に関しては,最近TFPI活性との相関が高い遊離型TFPI測定キットが発売され,容易に血漿中のTFPI抗原量を測定することが可能になった.
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