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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

ミニ情報

ヒルジンとその誘導体

著者: 新谷憲治1

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.190 - P.190

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 ヒルジンは,医用ヒル(Hirudo medicinallis)の唾液から分離された65個のアミノ酸からなる蛋白で,in vitro,in vivoのいずれにおいても,強力にトロンビンの活性部位および基質認識部位の2か所に結合して,特異的にトロンビン活性を抑制する1).最近血中でより安定なポリエチレングリコール処理リコンビナントヒルジンやトロンビンの活性中心への結合能は弱いがトロンビン基質認識部位へ結合して抗トロンビン活性を発揮するヒルローグ(hirulog)が開発され,動物実験で,静脈内投与された場合,比較的低濃度で静脈血栓の形成を抑制し,血管内凝固を阻止することが示され,さらに,高濃度で血小板依存性の血栓形成をも阻害する.
 米国での組織プラスミノゲンアクチベーターとアスピリンを併用して治療した急性心筋梗塞患者246名のphase Ⅱの臨床治験の成績では,ヒルローグの障害血管の再閉塞防止効果が,ヘパリンより優れていることが示されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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