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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 4.血管内皮細胞の検査

5) PGl2生成能・尿中2,3-dinor-6-keto-PGF

著者: 安藤泰彦1

所属機関: 1東海大学医学部臨床病理

ページ範囲:P.195 - P.197

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測定意義
 プロスタサイクリン(PGI2)は,細胞膜のリン脂質から放出されたアラキドン酸より,プロスタグランジン(PG) G2,H2を経て,血管内皮細胞(以下,内皮細胞)のPGI2合成酵素によって合成される.PGI2は強力な血管の拡張作用と血小板機能抑制作用を有しており,血管内皮の持つ抗血栓性の主役を演じていると考えられている.
 一方,内皮細胞とは対照的に,血小板においてはPGH2から,強力な血管収縮作用と血小板凝集作用を有するトロンボキサンA2(TxA2)が合成される.そして,虚血性心疾患や脳血栓の成因の一部に,PGI2とTxA2のバランスの異常が関与しているのではないか,との仮説が提唱されて注目を浴び1),さまざまな角度からの研究がなされてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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