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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 5.遺伝子検査

5)凝固第V因子1691G/A (506Arg/Gln)

著者: 座間猛1 村田満1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部内科

ページ範囲:P.213 - P.215

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原理と測定意義
 プロテインCは血漿中で非活性型の状態で存在し,血管内皮細胞上のトロンボモジュリンと結合したトロンビンとの接触によって抗凝固活性を持つ活性型プロテインC (activated protein C;APC)となり,凝固第Va因子および第Ⅷa因子を酵素分解しその凝固活性を失活させる.1993年,Dahlbackら1)は先天性血栓素因を有する家系内にAPCの抗凝固活性に抵抗性を示す病態を報告し,APCレジスタンスと命名した.その後,Bertinaら2)は凝固第V因子の点変異がAPCレジスタンスの原因の1つであると報告した.すなわち彼らは第Ⅴ因子遺伝子の1691GがAに変異する結果,506Arg⇒Gln変異を生じ,かかる部位がAPCの切断部位であることからAPCレジスタンスを示すと推測した(Leiden mutation).
 欧米での報告によると,APCレジスタンスの頻度は深部静脈血栓症患者の20%,正常人の3~5%,さらに原因不明の先天性血栓素因を有する家系においては40~60%にみられるとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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