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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査40巻6号

1996年06月発行

雑誌目次

今月の主題 性感染症(STD)

巻頭言

STDとは

猪狩 淳

pp.629-630

 Sexually transmitted disease (STD)とは性的接触(性行為)を介して感染,伝播する感染症であり,一般に性感染症と称されている.以前は性病と呼ばれ,性風俗歓楽街で感染する,狭義の意味での陰部局所病変を有する梅毒,リン病,軟性下疳,鼠径リンパ肉芽腫などの病変が考えられていた.しかし近年では,性的接触による感染は,細菌以外にクラミジア,マイコプラズマ,ウレアプラズマ,ウイルス,真菌,原虫,寄生虫と病原微生物が多彩になり,広義の意味での全身的な感染症と考えなければならなくなり,泌尿器科や皮膚科のみならず,内科,婦人科,眼科にまで関連するようになってきた.

 表に主なSTDと病原微生物を示した.

総説

わが国における性感染症の現状と問題点―STD疫学調査からみた考察

熊本 悦明

pp.631-637

 最近異性間感染によるHIV感染例が急増しつつあり,わが国においてもHIV感染が性感染症としての性格を強めつつある.ところが,人々の注目は薬害AIDSにのみ集中し,無症候性の性感染症としてのHIV感染に対する恐怖感を失いつつある.その証拠として,わが国では諸外国では減少の著しいChla-mydia trachomatisやリン菌の罹患例が,昨年より再増加し始めてきている.生殖年齢男女の約5%に広がるChlamydia trachomatis感染の場に激しくHIVが侵入した場合の危険性を一般の人に強力に啓蒙する必要があるのではないだろうか.〔臨床検査40:631-637,1996〕

産婦人科からみたSTD

川名 尚

pp.639-644

 性感染症は,女性にとって単なる性器の感染症というだけでなく,母子感染や不妊症など生殖現象に影響を与え,また子宮頸癌にも大きく関わっている.最近では,ウイルスやクラミジアによる性感染症が問題となっている.感染しても無症候のことも多いため制御が難しい.特にウイルス性性感染は,確立した治療法がなく,またワクチンも作られていないので困難である.性感染症は,性活動が活発になった今日,旧くて新しい疾患である.〔臨床検査40:639-644,1996〕

STD検査法の課題

松本 哲朗 , 熊澤 淨一

pp.645-649

 STDの検査法は遺伝子診断の進歩とともに正確な診断が可能となってきた.特に,クラミジアやリン菌感染症については,PCR法やLCR法などの遺伝子増幅を利用した方法が開発され,臨床応用が計られている.これらの方法の利点,欠点を熟知し,診断しなければならない.〔臨床検査40:645-649,1996〕

病原体と病態

リン菌

荒川 創一

pp.651-654

 リン菌の生物学的特徴と,リン菌感染症の診断と治療について最近の問題点を交えて述べた.本菌は,男子尿道炎と女子子宮頸管炎のみならず,性風俗を反映して,咽頭や直腸からの分離もみられる.本菌の薬剤感受性は,ここ10年で,βラクタム薬では変化がないが,キノロン耐性菌の出現が問題となりつつある.リン菌と他の微生物,特にクラミジアが混合感染していることはまれではないため,それらに対する検査と対策も重要である.〔臨床検査40:651-654,1996〕

クラミジア・トラコマティス

佐久本 操 , 松本 哲朗

pp.655-658

 クラミジア・トラコマティス感染症は,わが国や欧米で最も罹患率の高い性感染症(sexually transmitteddisease;STD)である.無症候性感染が多いため,一般の人へも浸淫しており,STDの中でもクラミジア感染症は注目をあびている.現在クラミジアは,Chlamydia trachomatis,C.Psittaci,C.pneumoniaeおよびC.pecorumの4種類の菌種が知られている.これらの菌種は,性感染症や呼吸器感染症の原因となっている.性感染症の原因微生物となるのは,C.tra-chomatisのみである.〔臨床検査40:655-658,1996〕

単純ヘルペスウイルス

和田 順子

pp.659-662

 単純ヘルペス感染症の病原体と病態を述べた.すなわち1,2型ヘルペスウイルス感染の発症様式,臨床症状や経過,検査法とその解釈,治療方法など主に自験データにもとづいて臨床的かつ実用的に解説した.優秀な抗ウイルス剤の開発は本疾患の迅速検査を必要とし,その結果から臨床に導入された.局所の病巣治療も解決している.本ウイルスは感染後に神経節に潜伏し,日和見感染の原因となる.この根治療法に今後の期待が集まっている.〔臨床検査40:659-662,1996〕

ヒト乳頭腫ウイルス

岩坂 剛 , 杉森 甫

pp.663-668

 性感染症としてのヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染は,単に外性器に疣贅を形成するというだけでなく,不顕性感染あるいは潜伏感染の形で,自覚されないまま広く蔓延している.そして,子宮頸部への感染は頸部異形成から頸癌に至る病変を引き起こしていると考えられているし,また腟および外陰への感染はそれぞれ腟癌,外陰癌の発生に関与していると考えられている.同様にして,男性においては,HPV感染が陰茎癌の発生に重要な関わりを持つと考えられている.〔臨床検査40:663-668,1996〕

ヒト免疫不全ウイルス

松田 重三

pp.669-672

 エイズの原因ウイルスであるHIVは,レトロウイルスの仲間で,逆転写酵素を有するRNAウイルスである.自らを宿主の遺伝子に組み込む,非常に巧緻に長けたウイルスであるが,感染宿主の死とともに自らも生命を絶つという理解しがたい面をも有する.

 このような特異な側面を持つHIVについて概説する.〔臨床検査40:669-672,1996〕

検査法とその問題点 顕微鏡による同定

細胞診

広川 満良 , 椎名 義雄

pp.673-678

 元来,細胞診は癌のスクリーニングのための検査法であるが,性感染症(STD)の診断においても重要な検査法の1つである.細胞診で診断可能である代表的なSTDとして,単純ヘルペスウイルス感染症,ヒト乳頭腫ウイルス感染症,クラミジア感染症,腟トリコモナス症などがあり,それらの細胞学的特徴について解説する.細胞診におけるSTDの診断は,他の検査法に比べて感度は低いものの,特異性は比較的高く,また,簡便で,安価で,迅速性があり,有用な検査法である.〔臨床検査40:673-678,1996〕

免疫組織化学とin situ hybridization法

堤 寛

pp.679-686

 STDの病理診断における免疫組織化学および非放射性in situ hybridization (ISH)法の応用について概説した.これらの手法は,臨床的所見あるいは通常の顕微鏡的観察のみでは診断確定の難しいことの多いクラミジア症やヒトパピローマウイルス感染症で,特に有用性が高かった.ホルマリン固定パラフィン包埋切片や,アルコール固定細胞診材料といったルーチン検体を対象とした電顕レベルでの病原体抗原・ゲノムの同定についても言及した.〔臨床検査40:679-686,1996〕

検査法とその問題点 新しい免疫学的検査法・遺伝子診断法

リン菌―非培養検出法

小島 弘敬 , 高井 計弘

pp.687-691

 難培養性の起因菌が多いSTDについて非培養検出法の有用性はきわめて高い.リン菌検出についてはEIAのゴノザイムと核酸検出法のGenプローブ法,アンプリコア,LCRが商品化されている.非培養検出法により分離培養に際限なくつきまとった検出失敗による偽陰性の輪郭が定まり,非リン菌性尿道炎,前立腺炎,副睾丸炎などリン病の周辺諸疾患の疾病像が明確となった.感染局所のリン菌菌量の把握も容易となった.非培養検出法の欠点は分離株が得られないことである.〔臨床検査40:687-691,1996〕

クラミジア・トラコマティス

広瀬 崇興

pp.693-698

 クラミジア・トラコマティスは男子尿道炎や子宮頸管炎などの性感染症の最も代表的な起炎微生物である.その診断法はここ十数年間で目覚ましい進歩を遂げ多数の方法が開発された.分離培養法,免疫学的検査法,遺伝子診断法などによる検出法と,直接感染細胞を採取できない深部感染症の補助診断となる血清抗体検査法がある.これらについてはコスト,特異性,感度,簡便性,迅速性などについてそれぞれ特徴を有する.〔臨床検査40:693-698,1996〕

単純ヘルペスウイルス

新村 眞人 , 本田 まりこ

pp.699-701

 単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus;HSV)感染症の診断は,①病巣からのウイルス分離同定,②ウイルス抗原の検出,③ウイルス核酸の検出,④ウイルス性巨細胞の証明,⑤組織学的に核内封入体の証明,⑥電顕的にウイルス粒子の証明,および⑦血清抗体価などによって行われる.現行の保険制度ではウイルス抗原の検出と血清抗体価の測定法のみが認可されているにすぎないが,今回はHSVの抗原および核酸の検出法について述べる.〔臨床検査40:699-701,1996〕

ヒト乳頭腫ウイルス

菅生 元康

pp.702-705

 ヒトパピローマウイルス(HPV)の診断法としては遺伝子(DNA)診断がもっぱら用いられる.DNA診断にはSouthern blot hybridization法,dot blothybridization法,in situ hybridization法,HybridCapture法およびpolylnerase chain reaction (PCR)法などがある.各診断法にはそれぞれ長所と短所があり,現在いずれの方法も信頼すべき臨床診断法としては確立されていない.一方,血清抗体同定法として,HPV DNAから遺伝子工学的に作成されたHPV関連蛋白を抗原とした測定系が開発されつつある.これらの信頼性も今後の臨床的な検討結果にかかっている.〔臨床検査40:702-705,1996〕

ヒト免疫不全ウイルス

橋田 誠一 , 橋中 一也

pp.706-713

 HIV-1感染の早期診断を目的として,超高感度の抗体と抗原の新しい同時測定法を開発しテストしてみたところ,従来の測定法より約2週間ウインドウ期間を短く,早期にHIV-1感染を診断することが可能になった.この同時測定法は,PCR法と同程度に早期の診断が可能であるだけでなく,セロコンバージョン時から発症に至るまでの全期間において,HIV-1感染の確実な診断も可能であることが明らかになった.〔臨床検査40:706-713,1996〕

話題

HIVの長期未発症とその意味するもの

玉川 重徳

pp.714-716

1.HIV感染の長期未発症1)

 HIV感染者の長期未発症の機構を免疫機能に求める報告が多く,最近では,感染細胞を破壊する抗体を証明したという報告がある.しかし,感染細胞の破壊する免疫反応としては,細胞傷害性リンパ球や細胞溶解反応が知られているが,この場合,自己免疫疾患の誘発がない程度に抑えなければならないという条件がある.一方,宿主細胞の感受性を制御する物質も報告されているが,これにはインターフェロンやウイルスの干渉現象,蛋白の非特異的,あるいは合目的会合現象によるウイルスの制御も含まれよう.1つの現象にいろいろな考えがあって当然であるが,すべてのウイルス感染で,発症する例や未発症例が見られるので,それらを,ウイルスと人体の基本的な生態に関わる機構の関係としてとらえ,統一的に説明できる機構を考えることは重要である.

尿中HIV抗体検出

吉原 なみ子

pp.717-719

1.はじめに

 HIVのスクリーニング検査には血液中のHIV抗体を検出することにより行われているが,1988年,Caoら1)はHIV-1感染者の濃縮尿を用い,尿中にもHIV-1抗体が出現することを発見した1).その後Urnovitzらは,測定法の改良を進め非濃縮の随時尿で高感度に測定できる診断薬の開発に成功した2)

 本診断薬は1995年に日本国内で多施設による臨床試験を実施し,良好な成績が得られており,新たなHIV-1スクリーニング検査として期待されている3)

ニューキノロン薬耐性リン菌

小野寺 昭一

pp.720-722

1.はじめに

 ニューキノロン薬は従来,リン菌に対してきわめて優れた抗菌力を示し,その治療効果も100%に近いものであった1).特に,ニューキノロン薬がわが国において初めて臨床に供されたころは,ペニシリン耐性リン菌(penicillinase-producingNeisseria gonorrhoeae;PPNG)の蔓延が世界的にも,わが国においても重要な問題となっていた.しかし,ペニシリンに対して交差耐性を示さないニューキノロン薬はPPNG,non-PPNGを問わず優れた治療効果を示し,1回につき400~600mgの単回経口投与によっても十分な効果が得られていた1).さらに,ニューキノロン薬の中には尿道炎の原因微生物として重要なChlamydiatrachomatisにも優れた抗菌力を示すものがいくつかあり,わが国においてニューキノロン薬は,尿道炎に対し最も使用頻度の高い抗菌薬となっている.

 しかし,筆者らの関連施設である都立台東病院においては,ニューキノロン薬が臨床において使用され始めた1984年から4年間を経た1988年には,すでにニューキノロン薬による治療によって消失しないリン菌が出現しており,特に,1991年以後は6~12%に本系統の薬剤による治療の不成功例がみられている2)(図1).

今月の表紙 表在性真菌症の臨床検査シリーズ

皮膚糸状菌症 3.分離培養と発育コロニーの形態学的特徴(続)

山口 英世 , 内田 勝久 , 楠 俊雄

pp.624-625

 白癬を引き起こすTrichophyton属菌種は,T.rubrumとT.Mentagrophytesに限られているわけではない.この2大原因菌のほかにも十指に余るヒト病原菌種が古くから記載されている.この中で,まれではあるがわが国でも分離例がみられるのがT.Verrucosum,T.violaceum,T.Violaceum,T.Tonsur-ansなどである.本号では,これらの3菌種に焦点を合わせ,コロニーの形態を中心におのおのの特徴を紹介する.

 3菌種は,いずれもサブロー・グルコース寒天などの通常培地上では発育が遅いこと(T.Ver-rucosum<T.ciolaceum<T.tonsurans),しかもチアミン,イノシトールなどのビタミン添加が発育を促進すること,また新鮮分離株には27℃よりも37℃でより速やかに発育するものが多いことなど,いくつかの点で共通性を持つ.しかし発育コロニーの形態については,3菌種間に特徴的な相違を認めることができる.

コーヒーブレイク

哲学の小道

屋形 稔

pp.644

 京都には心を惹きつけられる名所旧蹟が数えきれない.毎年訪れても一生かかっても廻れないであろう.しかし訪れる客にもまた地元の人にも愛されているのは,若王子社から疏水の流れに沿って銀閣寺までの2キロ程の散歩道一通称哲学の道―である.有名な哲学者西田幾太郎にちなんで名付けられたのであろうが,京都で学んだ人にとっては青春の散歩道でもあったのであろう.近くの吉田山にある旧制三高の寮歌"紅萌ゆる"の碑と共に静かな感慨を与える.

 こうした哲学の道はしかし京都ばかりでなく人の住む街にはその気になればどこにでも見出せるということを何時からか感ずるようになった.特に喧騒な都会を訪れても,一歩傍らに入ると人の群れない静かな思索溢れる小道があり,それを見つけるのも一つの楽しみになった.それでは自分の住んでいる町,新潟市ではどこであろうか.最近になって漸く心の拠り所を求めようとしている市民にとってこれが該当するのではないかと考えられる道筋に気付いた.地元民に白山様と呼ばれている鎮守白山神社から下もの方に数キロに亘って諸寺佛閣の立ち並んでいる西堀通りである.この寺々の門前の立看板を読みながら歩く時,繁忙の日常の中で人は哲学する一刻をもつであろう.

学会だより 第11回日本環境感染学会総会

院内感染を幅広い視点で展望

田場 秀樹

pp.650

 1996年2月16~17日の2日間にわたり,第11回日本環境感染学会総会が琉球大学第一内科教授齋藤厚会長のもと,東京都にて開催された.関東地方には大雪警報が発令され,会場に隣接する東京タワーも雪化粧に身を包むなど真冬の様相を呈していたが,1,000人近くの参加者で賑わう会場内では活発な討論が展開され,熱のこもった学会となった.

 ここ数年来,社会問題にまで発展したMRSA院内感染を契機として院内感染対策に対する関心が確実に高まっているが,本学会では院内感染対策に従事する医師ばかりでなく看護婦や臨床検査技師,薬剤師などのコ・メディカル・スタッフが一堂に会し,毎回各方面からの研究成果が報告されることが1つの特徴となっている.特に今回は,齋藤会長の言葉を借りると"新たな第一歩を踏み出す記念すべき時期である"との観点から"院内感染を幅広い視点で展望していくことを主題"としたプログラムの構成がなされていた.

海外レポート

ネパールの検査室事情―トリブバン大学教育病院と技術協力プロジェクト

小原 博 , 家入 尚美

pp.723-724

はじめに

 ネパールは中国とインドに挟まれた東西885km,南北160kmの細長い形をした王国である.147,181km2の国土に約2,000万人の人口を擁し,約30の民族から成る多民族国家である.地形は変化に富み,北は8,000m級のヒマラヤ山脈が連なるが,南はインドから続く平原地帯であり,亜熱帯性の気候である.首都カトマンズは標高1,300mに位置しており,比較的温暖な気候に恵まれている.

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

RFLP法

戸田 年総

pp.725-728

はじめに

 生物個体は,形態形成からエネルギー代謝,物質代謝のすべてを遺伝子(ゲノム)の支配の下に行っている.1つの遺伝子は染色体(クロモゾーム)上のDNA塩基配列の一定領域に分布し,1つの蛋白質をコードするための複数のエキソンとそれをつなぐイントロンおよび発現を調節する部分で構成されている.ヒトの場合23対の染色体上に5~10万の遺伝子が載っていると言われており,1個の細胞内では2,000~4,000程度の遺伝子が発現していると考えられている.遺伝病や家族性の疾患は,これらの発現遺伝子に欠損や異常があった場合に現れる病態であると考えられている.

 また遺伝子は進化の過程でさまざまな変異を受けてきたため,同一の動物種内でも異なる個体間では同じ遺伝子座(同じ機能を持った蛋白質をコードする遺伝子領域)のDNA塩基配列が異なっていることがある.このような座位の遺伝子を対立遺伝子(アレル)と呼ぶ.対立遺伝子による多型性(ポリモルフィズム)が体型や性格などの個性を生み出しているのであるが,一方で,ある種の疾患の発症リスクや,移植組織の適合性を規定していることも確かである.したがって,事前に遺伝子のタイプを知ることで,疾病の発症を未然に防いだり,臓器移植後の拒否反応を最小限に抑えたりすることができる.

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

MRSA

伊藤 輝代 , 平松 啓一

pp.729-733

はじめに

 MRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aur-eus)はβ―ラクタム系薬剤に耐性を示すのみならず,現在使用されているほとんどすべての化学療法剤に対して耐性を示す院内感染の原因菌である.MRSAフォーラムの報告1)によれば,平成5年度の調査では各施設から分離される黄色ブドウ球菌のうち,平均して約40%がMRSAである.その内訳は入院患者からの分離頻度が91%,外来患者からの分離頻度が9%であり,前年度に比べて外来患者からの分離頻度は約2倍に増加し市中への波及を示しているものの,依然として入院患者における分離頻度が高い.MRSAの遺伝子診断はこれまで多くの研究室により行われ,すでにDNA診断キットも市販されている.ここでは当教室で行っているPCR法を中心に解説する.

トピックス

multilobated B細胞リンパ腫

畠 榮 , 広川 満良

pp.734-735

 1979年にPinkusら1)はびまん性大細胞性リンパ腫の中に腫瘍細胞の核が多分葉で核異型を伴う症例をmultilobatedリンパ腫として4例報告し,これらの大型の腫瘍細胞はヒツジ赤血球でロゼット形成を呈することからT細胞由来と考えた.当時は核の分葉を示すものとしてSézary症候群や,成人T細胞性白血球が知られているのみで,末梢性T細胞リンパ腫の1つの特徴として認識されていた.その後1982年から85年にかけてB細胞由来のmultilobatedリンパ腫が相次いで報告され,multilobatedリンパ腫の所見を呈するものは米国ではむしろB細胞性のものが多く,しばしば濾胞性リンパ腫の部分像を伴い,largecleaved cellのvariantであると考えられた.したがって,現在multilobatedリンパ腫にはT細胞性とB細胞性の両方があり,どちらかといえばB細胞性のほうが多いとされている2~5)

 わが国では難波ら5)により14例のmultilobatedリンパ腫が報告され,9例がB細胞性,5例がT細胞性で,年齢的には50歳以上の高齢者にみられた.興味深い点はリンパ節原発のものは1例のみで,他は唾液腺,咽頭,骨髄,皮膚などの節外性の症例が圧倒的に多い点であった.

CETP-コレステリルエステル転送蛋白

稲津 明広 , 小泉 順二 , 馬渕 宏

pp.736-738

1.はじめに

 LDL(低比重リポ蛋白)はコレステロール(CHOL)を肝から末梢細胞へ運搬し,逆にHDL(高比重リポ蛋白)はCHOLを末梢細胞から肝へ戻す役割(CHOL逆転送系)を有する(図1)1).HDLは,比重1.063~1.21g/mlで粒子径7~13nmである.リポ蛋白粒子表面に遊離CHOL(FC),リン脂質(PL),リポ蛋白粒子核にトリグリセライド(TG),コレステリルエステル(CE)を含有する.その主要な構成アポ蛋白は,アポ蛋白A-1,アポ蛋白A-IIであり,他に,LDLレセプターのリガンドであるアポ蛋白E,リポ蛋白リパーゼ(LPL)を活性化するアポ蛋白CII,リポ蛋白水解を抑制するCIII,CHOLをエステル化するレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)やリポ蛋白間のCE,TGの転送,交換を司るコレステリルエステル転送蛋白(choles-teryl ester transfer protein; CETP)などが存在する.

 HDLは,①動脈硬化巣を含めた末梢細胞由来や,②食事および内因性のTGの多いリポ蛋白(キロミクロンとVLDL)の水解により生じた余分なCHOL,PLを受け取る.LCAT活性を介してCHOLのエステル化に伴い,HDL3からHDL2への粒子サイズの増大が認められる.逆に,肝性リパーゼ(HTGL)の作用でHDL2のTGが水解され,HDL3への粒子サイズの縮小が生じる.

質疑応答 血液

EDTA採血管中で見られる血液凝固

武内 恵 , 野口 寛子

pp.739-740

 Q 血球計数の検査でEDTA入りのチューブで採血を行い,抗凝固剤を十分に転倒混和をしているのに凝固が起こってしまうことがあります.原因と対策を教えて下さい.

質疑応答 その他

携帯電話による医療機器誤作動

小野 哲章 , K男

pp.740-742

 Q 『臨床検査』40巻1号(1996年1月号43ページ)"電気設備の安全管理1.生理検査機器"の中で,携帯電話による医療機器の誤作動について触れられていましたが,最近,新聞や雑誌でも取り上げられている携帯電話の電磁波による医療機器への影響とその対策についてさらに詳しく教えて下さい.

資料

迅速細胞診誤判定例の検討

鐵原 拓雄 , 安部 陽子 , 大杉 典子 , 三宅 康之 , 畠 榮 , 広川 満良

pp.743-745

 1992年3月から1995年5月までの約3年間にDiff・Quik染色を用いて迅速細胞診を行った280症例中誤判定した20例について検討した.迅速判定の診断精度は,感度90.4%,特異性95.8%,陽性予測値92.8%,陰性予測値94.1%であった.偽陽性は8例(悪性リンパ腫:3例,扁平上皮癌:5例)で,診断力不足に加えて,臨床情報による思い込みも原因の1つと考えられた.偽陰性は12例(悪性リンパ腫6例,扁平上皮癌2例,粘表皮癌2例,カルチノイド1例,腎細胞癌1例)であった.原因としては,悪性リンパ腫では小細胞型や混合型を良性と誤判定した.扁平上皮癌や粘表皮癌では,高分化型の場合や背景に炎症反応が強い場合に良性と誤判定した.またホジキン病や腎細胞癌では,診断的な細胞の採取量が少なかったためにスクリーニング時に見落としていた.対策として,臨床情報にとらわれないで出現細胞を注意深く検索することを心掛けること,また外来現場で臨床医からのプレッシャーにあまり惑わされないで,冷静に判定することが重要と思われた.また診断者の診断力の向上に努力することも重要である.

PCR法による喀痰中の結核菌の検出

竹内 悦男 , 高井 元彦 , 北川 正晴 , 横田 総一郎

pp.747-750

 肺結核患者の喀痰について従来法,集菌法,PCR法を行い3法を比較した.その結果,PCR法は塗抹,培養に比べ検出率が高かった.従来法とPCR法の時系列比較では,従来法が陰性化した後もPCR法で陽性の持続する例が多かった.したがって,PCR法は迅速性に優れ感度も高いことから,スクリーニング検査として有用であると考えられる.一方,PCR法による治療効果の判定は今後の検討が必要であると思われる.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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