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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻7号

1996年07月発行

文献概要

今月の主題 ニューロパチーの臨床検査 総説

軸索変性の電気生理学

著者: 馬場正之1

所属機関: 1弘前大学医学部附属脳神経疾患研究施設臨床神経部門

ページ範囲:P.771 - P.778

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 軸索変性はほとんどすべてのニューロパチーに普遍的にみられる病態である.脱髄が主病変である疾患においてさえ,患者の予後は軸索変性の寡多によって左右されることが多い.したがって,軸索変性の程度を診断することは臨床的に大変重要である.軸索数の減少は複合神経(筋)電位の振幅低下を生む.伝導速度は不変の場合が多く,低下する場合でも正常下限の20%ないし25%止りである.再生神経の伝導速度はきわめて遅いが,軸索直径と髄鞘厚の増大につれて正常化する可能性がある.また,遠位性軸索変性は障害神経遠位部での検査ほど異常所見が増強するという特徴を持つ.神経最末端部の伝導ブロックはしばしば軸索変性に似た所見を呈するので,注意が必要である.〔臨床検査 40:771-778,1996〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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