文献詳細
文献概要
今月の主題 ニューロパチーの臨床検査 話題
ニューロパチーの診断に神経バイオプシーは必要か
著者: 馬場正之1
所属機関: 1弘前大学医学部附属脳神経疾患研究施設臨床神経部門
ページ範囲:P.824 - P.825
文献購入ページに移動1.神経生検と臨床診断
生検はいろいろな臓器で疾病の最終診断を目的に行われる有力な手段である.神経領域における筋生検や脳生検のほとんども,それを目的として施行される.しかし,末梢神経生検にもその原則が通用するだろうか.多くの場合,その答えは"否"である.末梢神経疾患の臨床的表現形は筋力低下や感覚障害など,原因のいかんにかかわらず,比較的一様である.それにもかかわらず,原因となる背景疾患はきわめて多岐にわたる.それが多くの医師に鑑別診断を困難に感じさせる理由になっている.そこで,診断に直接結びつく"何か"を期待して,神経生検登場の余地が生まれる.しかし,臨床的に五里霧中のときに神経生検から確定診断を望むのは,人身御供を供して雨乞いをする行為に似た,誤解に基づく注文であると言わざるを得ない.
生検はいろいろな臓器で疾病の最終診断を目的に行われる有力な手段である.神経領域における筋生検や脳生検のほとんども,それを目的として施行される.しかし,末梢神経生検にもその原則が通用するだろうか.多くの場合,その答えは"否"である.末梢神経疾患の臨床的表現形は筋力低下や感覚障害など,原因のいかんにかかわらず,比較的一様である.それにもかかわらず,原因となる背景疾患はきわめて多岐にわたる.それが多くの医師に鑑別診断を困難に感じさせる理由になっている.そこで,診断に直接結びつく"何か"を期待して,神経生検登場の余地が生まれる.しかし,臨床的に五里霧中のときに神経生検から確定診断を望むのは,人身御供を供して雨乞いをする行為に似た,誤解に基づく注文であると言わざるを得ない.
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