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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻7号

1996年07月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

制限酵素の種類と使い方

著者: 中川原寛一1 森光子1 三岡周子1

所属機関: 1日本遺伝子研究所

ページ範囲:P.826 - P.835

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はじめに
 特定の遺伝子あるいはその中の一部分を取り出す際に必要なのは,一定の部位で切断する技術である.このような目的に使われるのが制限酵素である.この酵素は二本鎖DNAの特定の塩基配列を認識し,その部分あるいは近くで切って断片にする酵素のことである.今日では当たり前のように使っている制限酵素は,実は1970年以降やっと見い出されたものである.制限酵素として初めて大腸菌から分離されたEco BやEcoKはI型酵素に属するが,酵素が認識する塩基配列とDNAの切断点とが異なるなど,複雑な性質のため特異的なDNAの断片を得る目的には利用できなかった.その後,単純な性質を持ったHemophilusinflnenzaeのⅡ型酵素が発見されてから特異的なDNAの断片を調整するうえで遺伝子操作の実験に欠かせないものとなったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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