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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻8号

1996年08月発行

文献概要

トピックス

塩素と血圧

著者: 奥田拓道1

所属機関: 1愛媛大学医学部医化学第二

ページ範囲:P.964 - P.965

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 食塩を取り過ぎると,血圧が上昇することはよく知られている.ほかに何も異常がないが血圧だけが高いという本態性高血圧の患者に食塩制限をすると,その6割に血圧低下がみられる.
 食事中の食塩は,ナトリウムイオン(Na)と塩素イオン(Cl)として腸管から別々に吸収され,その後も生体内で,それぞれ異なる調節を受けている.例えば血清中のNaは,食前・食後とも,140mmol/l前後で変動しないが,Clは,食後上昇し,数時間後に食前の価に戻る.したがって,食塩によって血圧が上昇するといっても,その原因がNa+なのか,Clなのかが問題になるわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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