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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻1号

1997年01月発行

文献概要

今月の主題 スポーツと臨床検査 運動負荷と検査値

骨格筋由来酵素

著者: 吉岡利忠1 山下勝正1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学第2生理学

ページ範囲:P.52 - P.58

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 血液中に数種類の酵素が存在し,特定の役割を果たしているものとさまざまな臓器・組織から血液中に遊離した生理的意義を持たない逸脱酵素がある.ヒト(動物)が生命活動を営むことにより,一定量の酵素は臓器・組織から常に逸脱し続けている.すべての組織が,同じ種類の酵素を同じ量だけ含んでいないので,血清酵素活性を測定することで損傷を受けた組織を同定することができる.さまざまな骨格筋疾患により,血清中の骨格筋由来の酵素活性が増加する.血清逸脱酵素の増加は,疾病時だけでなくさまざまな筋肉活動によっても引き起こされる.運動負荷により増加した血清逸脱酵素の多くは,骨格筋細胞由来と考えられる.日常的にトレーニングを行っている場合,血清逸脱酵素の増加の由来を正確に判断する必要がある.血清中に逸脱した酵素から,生体がストレスから受けた負担度をある程度評価できることが報告されている.血清酵素検査方法の改善により,その酵素の由来組織や臓器を特定できるようになると,その測定の重要性はさらに高まるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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