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今月の主題 スポーツと臨床検査 運動負荷と検査値
尿検査
著者: 鈴木政登1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学臨床検査医学
ページ範囲:P.59 - P.63
文献購入ページに移動 尿成分は,生体内の代謝状態および尿の生成臓器である腎臓の機能的・器質的状態の反映である.健常人の場合,運動負荷による腎血漿流量(RPF)の変化は約40%VO2maxから,糸球体濾過量(GFR)は50%VO2maxから,強度漸増に伴い直線的に低下する.しかし,尿定性試験や尿沈渣への影響および尿中アルブミン,β2-ミクログロブリンの一過性排泄増加は80%VO2max以上の強度で認められ,その影響は運動終了60分後にはおおむね消失する.一方,軽度肥満者では50~75%HRmaxの中等度運動によってアルブミンの尿中排泄が誘発され,糖・脂質代謝異常との関連が推測された.
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