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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻1号

1997年01月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

フェニルケトン尿症

著者: 山下啓子1 香川昌平1

所属機関: 1兵庫医科大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.88 - P.91

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はじめに
 フェニルケトン尿症(PKU)はフェニルアラニン水酸化酵素(PAH;EC 1.14.16.1)の欠損によるアミノ酸代謝異常症で常染色体劣性遺伝形式をとる.PKUではフェニルアラニンからチロシンへの代謝はほとんど認められず,体内にフェニルアラニンが蓄積し,知能・言語障害あるいは発育不全が引き起こされる.
 初期のPKU診断では制限酵素消化断片長多型(RFLP)によるハプロタイプ解析が主流であった.保因者の大半がハプロタイプヘテロ接合を示す白人では,RFLPハプロタイプによるPKU診断がかなりの程度まで可能とされている.しかし,正常および変異遺伝子の約80%が同一のハプロタイプに連鎖している日本人・中国人では,この方法による確定診断は実際上不可能である.近年の目覚ましい遺伝子診断技術の進歩によって,現在ではPCR直接シークエンシングによるPAH遺伝子変異の同定がPKU診断の有力な手段となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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