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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻11号

1997年10月発行

文献概要

特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅰ.生化学・遺伝子

2.PLP異常症

著者: 川崎砂里1 小林央1

所属機関: 1国立療養所新潟病院神経内科

ページ範囲:P.1235 - P.1238

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はじめに
 Pelizaeus-Merzbacher病(PMD)は,中枢神経系のミエリン形成不全(dysmyelination)を特徴とするX染色体劣性遺伝性疾患である.中枢神経系ミエリンの主要膜蛋白質であるproteolipid protein;PLPの遺伝子異常が,本疾患の主な原因と考えられる.PLP遺伝子の一塩基置換,塩基の挿入や欠失,完全欠失,完全重複など,さまざまな遺伝子異常によって,PMDや家族性痙性対麻痺などの病気が生じることが最近明らかになってきた.つまり単に塩基異常だけでなく,遺伝子の量の異常によっても病気が引き起こされると考えられている.
 このような病因機序は,末梢神経系において,末梢ミエリン蛋白であるperipheral myelin protein 22;PMP-22の遺伝子異常が,Charcot-Marie-Tooth病type 1A (CMT 1A)を起こす機序と類似しており,両者に何らかの共通の病態があると予想される(本誌別章参照).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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