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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻11号

1997年10月発行

文献概要

特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅰ.生化学・遺伝子

3.ハンチントン病

著者: 増田直樹1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院神経内科

ページ範囲:P.1239 - P.1242

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疾患概念
 ハンチントン病(Huntington病;HD)は舞踏運動,精神障害,痴呆を呈する進行性の神経変性疾患で,常染色体性優性の遺伝形式をとる.舞踏運動とは不規則で早い不随意運動で,典型的なものはあたかも踊りを踊っているように見えるのでその名がある.1872年のGeorge Huntingtonの報告以来,疾患単位として一般に認められるようになった.
 本症の頻度は,地域人種によって異なり欧米の白人での有病率は人口100万人あたり30~80人であるのに対し,日本人ではまれであり,報告によって人口100万人あたり1.14~3.8人と,欧米に比べ1/10以下である.世界的にはベネズエラのマラカイボ湖岸やスコットランド,北スウェーデンなどに有病率が人口100万人あたり1,440~7,000人にも及ぶ発症者の集積地域が知られている一方,アフリカの黒人での頻度は日本人よりもさらに低く,人口100万人あたり0.6人程度である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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