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特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅰ.生化学・遺伝子
4.ウイルソン病・メンケス病
著者: 遠藤文夫1
所属機関: 1熊本大学医学部小児科
ページ範囲:P.1243 - P.1249
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メンケス病とウイルソン病における臨床症状の相違は前者が小腸(および胎盤)における銅転送障害の結果,全身の重篤な銅欠乏症状を示すのに対し,ウイルソン病では肝蔵から胆汁への銅排泄が障害されている.その病因は長い間不明であったが,1993年にメンケス病の遺伝子とウイルソン病遺伝子が相次いで明らかにされた結果,この2種の銅代謝異常症は膜に局在する銅転送蛋白の異常で生じることが判明した.
メンケス病とウイルソン病における臨床症状の相違は前者が小腸(および胎盤)における銅転送障害の結果,全身の重篤な銅欠乏症状を示すのに対し,ウイルソン病では肝蔵から胆汁への銅排泄が障害されている.その病因は長い間不明であったが,1993年にメンケス病の遺伝子とウイルソン病遺伝子が相次いで明らかにされた結果,この2種の銅代謝異常症は膜に局在する銅転送蛋白の異常で生じることが判明した.
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