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特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅰ.生化学・遺伝子
13.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
著者: 船越政範1 後藤加奈子1 荒畑喜一1
所属機関: 1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第一部
ページ範囲:P.1290 - P.1292
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顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(facioscapulo-humeral muscular dystrophy;FSHD)は主として顔面と上肢帯~上腕に分布する緩徐進行性の筋萎縮と筋力低下を示す常染色体性優性遺伝形式の筋ジストロフィーである.発生頻度は人口10万人あたり約5人程度とされている.生命予後は良好であるが,進行すると筋病変は下肢帯~下肢にも及び,約20%の患者が40歳までに車椅子生活を余儀なくされる.また,高率に網膜症や神経性難聴が合併する1).FSHDでは,臨床表現型の著しい差異が家族間のみならず家族内においても認められたり,筋原性以外に神経原性変化を呈する症例も知られていることから,症候群であるとする立場もある2).現在,世界各国のFSHD研究グループが互いに協力して,FSHDの原因遺伝子のクローニングと病態機序の解明をめざしている.
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(facioscapulo-humeral muscular dystrophy;FSHD)は主として顔面と上肢帯~上腕に分布する緩徐進行性の筋萎縮と筋力低下を示す常染色体性優性遺伝形式の筋ジストロフィーである.発生頻度は人口10万人あたり約5人程度とされている.生命予後は良好であるが,進行すると筋病変は下肢帯~下肢にも及び,約20%の患者が40歳までに車椅子生活を余儀なくされる.また,高率に網膜症や神経性難聴が合併する1).FSHDでは,臨床表現型の著しい差異が家族間のみならず家族内においても認められたり,筋原性以外に神経原性変化を呈する症例も知られていることから,症候群であるとする立場もある2).現在,世界各国のFSHD研究グループが互いに協力して,FSHDの原因遺伝子のクローニングと病態機序の解明をめざしている.
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