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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻11号

1997年10月発行

文献概要

特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅰ.生化学・遺伝子

18.プリオン病

著者: 古河ひさ子1 堂浦克美1

所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設病理部門

ページ範囲:P.1313 - P.1317

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プリオン病の概念と分類
 Creutzfeldt-Jakob病(CJD),Gerstmann-Sträuss-ler-Scheinker症候群(GSS),クールー,致死性家族性不眠症(fatal familial insomnia;FFI)などはヒトのプリオン病である.以前はこれら疾患の大半が不明のウイルス感染によるものと考えられ,スローウイルス感染症に分類されていた.ところが1980年代初めにPrusinerがヒツジのプリオン病であるスクレイピーにおいてその感染因子の本体は蛋白性の感染粒子(proteinaceous infectious particle)を意味するプリオン(prion)であるというプリオン仮説を提唱し1),その後この仮説を実証しようと次々と画期的な研究成果を発表してきた.そこで,現在では彼らの業績を反映してこの一群の疾患をプリオン病と総称するようになった(表1).共通した所見としては,中枢神経系の海綿状変化と異常型プリオン蛋白の蓄積が挙げられる.また,近年話題になったウシ海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy;BSE,いわゆる狂牛病)などをはじめとして,プリオン病はヒトだけでなく他の哺乳類に広くみられるが,ここではヒトのプリオン病について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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