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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻11号

1997年10月発行

特集 神経系疾患と臨床検査

Ⅱ.免疫

3.髄液の免疫学的検査

著者: 荻野裕1 斎藤豊和1

所属機関: 1北里大学東病院神経内科

ページ範囲:P.1330 - P.1334

文献概要

はじめに
 中枢神経組織,脳・脊髄神経根や髄膜など脳脊髄液に接した部位の病変を反映して,髄液にはさまざまな変化が観察される.特に脳,脊髄には血液―脳や血液―脊髄関門が存在し,血中の抗体やリンパ球が自由に通過できないために,脳,脊髄は免疫学的には隔離されたものと考えられてきた.しかしながら,近年はウイルスや細菌感染に対する防御反応は他の組織のそれと本質的には変わらないとされ,全身的反応が脳脊髄液にも反映されることが明らかとなった.しかしながら,脳脊髄組織内で起こった反応は当然,脳脊髄液に直接敏感に反映され,その分析の重要性は他臓器のそれと全く変わらない.髄液を介して免疫異常を検討する場合,現在では免疫グロブリン,オリゴクローナルバンド,髄鞘塩基性蛋白などとともにリンパ球やサイトカインの分析が重要であるが,後者については他稿で詳細に取り上げられるので,本稿では前者を中心に述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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