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特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅲ.神経生理 1.筋電図・神経伝導検査
3)神経伝導検査
著者: 島村秀樹1 馬場正之1
所属機関: 1弘前大学医学部脳研臨床神経部門
ページ範囲:P.1369 - P.1373
文献購入ページに移動はじめに
神経伝導検査は,四肢のしびれや脱力を呈する患者で,末梢神経障害が疑われる場合に施行する検査である.末梢神経障害には軸索変性型,脱髄型,およびその混合型があり,その判別は治療上においても重要である.神経伝導検査では末梢神経障害の有無のみならず,その判別も可能である.末梢神経はさまざまなサイズの神経線維を含むが,神経伝導検査によって把握できるのは大径有髄神経線維の障害であり,細径有髄線維や無髄神経線維の障害は検出が難しい.すなわち,運動神経や触覚,振動覚を伝導する感覚神経の異常は評価できるが,温痛覚を伝導する感覚神経や自律神経の機能を評価することはできない.本稿では一般的な神経伝導検査の手技1)を解説するとともに,計測上における留意点,異常判定の解釈について示す.
神経伝導検査は,四肢のしびれや脱力を呈する患者で,末梢神経障害が疑われる場合に施行する検査である.末梢神経障害には軸索変性型,脱髄型,およびその混合型があり,その判別は治療上においても重要である.神経伝導検査では末梢神経障害の有無のみならず,その判別も可能である.末梢神経はさまざまなサイズの神経線維を含むが,神経伝導検査によって把握できるのは大径有髄神経線維の障害であり,細径有髄線維や無髄神経線維の障害は検出が難しい.すなわち,運動神経や触覚,振動覚を伝導する感覚神経の異常は評価できるが,温痛覚を伝導する感覚神経や自律神経の機能を評価することはできない.本稿では一般的な神経伝導検査の手技1)を解説するとともに,計測上における留意点,異常判定の解釈について示す.
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