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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻11号

1997年10月発行

文献概要

特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅲ.神経生理 ミニ情報

stimulation SFEMG

著者: 有村由美子1 有村公良1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第3内科

ページ範囲:P.1376 - P.1376

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 single fiber EMG (SFEMG)は神経筋疾患の運動単位の機能,特に神経筋伝達機能をみるのに最も鋭敏な検査法で,重症筋無力症,Lambert-Eaton筋無力症候群の診断には有用な検査法として知られている.SFEMGは通常随意収縮下に行われるが,電気刺激下に行う方法がありstimulation SFEMGと呼ばれ,筋内神経を微小電極で電気刺激し,刺激からの潜時差の揺れ(ジッター)を測定する方法である(図1).本法の利点としては,①随意収縮の困難な症例や小児などにも用いられ,②刺激の頻度を変えることで前シナプス性か後シナプス性かの鑑別が可能であり,③筋力低下が強い症例でみられるいわゆるIDI依存性ジッターを除外できるなどがある.本法は比較的手技が容易で初心者にも実施可能であるが,注意点としては常に閾値上の刺激である確認が必要である1,2)
 神経筋接合部の障害に対しては異常ジッターの増加およびブロッキングの出現のみならず,重症筋無力症では低頻度の刺激でジッターの異常は最大となり,Lambert-Eaton症候群やボツリヌス中毒では刺激頻度の増加とともにジッターの改善がみられることから神経筋伝達異常の質的な診断が可能である3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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