文献詳細
特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅲ.神経生理 ミニ情報
文献概要
脳磁図(magnetoencephalography;MEG)は脳神経細胞群の電気的活動により生ずる磁場変化を,頭部に高感度磁気センサを近接させることによって計測する検査法である.人体各組織や空気などの媒質は透磁率にあまり差がないことから,生じた磁場はほとんど歪まずにセンサに到達する.このあたりの事情から,人体組織の不均一な導電率分布によって大きく歪みを受ける脳波と比べて,脳磁図は活動源の三次元局在同定に有利であると考えられている.
図1に現在最も進んだ脳磁場測定装置のセンサ部の一例を示す.全頭部をカバーするヘルメット型のセンサ部には,SQUID(Super-conducting QUantum Interference Device)磁束計と呼ばれる高感度磁気センサが148本収納され,図2に示すとおり,頭部全体の148個所から同時に脳磁場を測定することができる.これらのセンサは液体ヘリウムに満たされ,-270℃近辺まで冷却された超伝導状態で機能する.測定装置およびベッドは外来磁気ノイズの混入を避けるため,通常,磁気シールドルーム内に設置される.
図1に現在最も進んだ脳磁場測定装置のセンサ部の一例を示す.全頭部をカバーするヘルメット型のセンサ部には,SQUID(Super-conducting QUantum Interference Device)磁束計と呼ばれる高感度磁気センサが148本収納され,図2に示すとおり,頭部全体の148個所から同時に脳磁場を測定することができる.これらのセンサは液体ヘリウムに満たされ,-270℃近辺まで冷却された超伝導状態で機能する.測定装置およびベッドは外来磁気ノイズの混入を避けるため,通常,磁気シールドルーム内に設置される.
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