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雑誌詳細

文献概要

特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅳ.画像診断 1.超音波検査

2)経頭蓋ドプラ法(TCD)

著者: 古平国泰1

所属機関: 1心・血管内科 明大前クリニック

ページ範囲:P.1438 - P.1443

はじめに
 1982年Aaslidら1,2)が,経頭蓋骨的超音波ドプラ装置(transcranial Doppler:TCD)を開発,Willis動脈輪を中心とする頭蓋内動脈の血流を初めて経頭蓋骨的に計測可能であることを示した.これは骨による減衰の少ない低周波数の超音波2MHzを用い,高出力とし,さらにプローブの前面に超音波の散乱,減衰を防ぎ,ビーム狭小化のための特殊な集束レンズを備え,経頭蓋骨的計測を可能としている.
 その後,カラードプラ断層法による頭蓋内血流計測の試みが,1988年Furuhataら3)により最初に報告された.側頭骨には成人でもセクタ型プローブに適応する超音波の入射部位があることが証明され,血流の描出が可能となった(transcranial color flow imaging;TC-CFI).最近は経頭蓋専用のプローブ(2~3MHz)が市販されている.この手法では血管走行が視覚的に確認でき,超音波ビームの入射角度を補正できるため血流速度の絶対値が計測できる.ここではTCDとTC-CFIについて解説する.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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