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文献概要
特集 神経系疾患と臨床検査 Ⅴ.神経病理 3.中枢神経
4)ホルマリン固定・パラフィン包埋試料―蛋白抗原および核酸分析
著者: 池田和彦1
所属機関: 1東京都精神医学総合研究所超微形態研究部門
ページ範囲:P.1554 - P.1556
文献購入ページに移動はじめに
中枢神経系疾患の臨床診断や研究にとって,免疫染色や核酸解析は重要な手技になっている.今日では,これらの検索のために,生検や剖検の際に凍結試料を確保しておくという習慣がある程度定着してきている.また,わが国でも"Brain Bank"構想が厚生省の後押しで進展しつつある.とは言っても,まだホルマリン固定・パラフィン包埋の試料を利用するしかない場合が多い.ホルマリン固定は蛋白や核酸の変性,変質を引き起こす.このため,それらの試料は免疫染色や核酸解析には不適であり,検索はそこで頓挫せざるをえなかった.膨大な量のホルマリン固定・パラフィン包埋試料を,なんとか免疫染色や核酸分析に活用することはできないものだろうか.
これについてはここ数年,大きな進展がみられている.前者について言えば,ホルマリン固定でマスクされた抗原性の回復法が開発された.後者についていえば,ホルマリン固定・パラフィン包埋試料から抽出した核酸を活用しうることが示されてきている.
中枢神経系疾患の臨床診断や研究にとって,免疫染色や核酸解析は重要な手技になっている.今日では,これらの検索のために,生検や剖検の際に凍結試料を確保しておくという習慣がある程度定着してきている.また,わが国でも"Brain Bank"構想が厚生省の後押しで進展しつつある.とは言っても,まだホルマリン固定・パラフィン包埋の試料を利用するしかない場合が多い.ホルマリン固定は蛋白や核酸の変性,変質を引き起こす.このため,それらの試料は免疫染色や核酸解析には不適であり,検索はそこで頓挫せざるをえなかった.膨大な量のホルマリン固定・パラフィン包埋試料を,なんとか免疫染色や核酸分析に活用することはできないものだろうか.
これについてはここ数年,大きな進展がみられている.前者について言えば,ホルマリン固定でマスクされた抗原性の回復法が開発された.後者についていえば,ホルマリン固定・パラフィン包埋試料から抽出した核酸を活用しうることが示されてきている.
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