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今月の主題 白血病・最近の進歩 話題
リボザイムによる白血病細胞の増殖抑制
著者: 松下弘道1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科
ページ範囲:P.312 - P.316
文献購入ページに移動1.はじめに
分子生物学的手法の導入により発癌機構の解明は急速に進歩し,癌遺伝子の発現および癌抑制遺伝子の異常が発癌の一因を担うこと,またこれらがシグナル伝達系や細胞周期と密接にかかわりあうことが明らかにされてきた.造血器悪性腫瘍の領域においても,これらの分子生物学手法が研究および臨床面において,染色体異常と発癌,薬剤耐性とその克服,微量残存病変の検出と治療の評価・治療方針決定などさまざまに応用されてきた.しかし治療に関しては現在までのところ化学療法および骨髄移植などの抗癌剤を主体としたtotal cell killの概念に基づく腫瘍細胞の根絶を目的とする治療が中心となっており,発癌機構に立脚した,新しい観点からの治療法の確立が期待されている.近年の分子生物学的研究から特定の造血器悪性腫瘍の発症には特定の遺伝子異常が密接に関係していることが解明され,これを治療へ応用しようとする試みがさまざまになされている.遺伝子発現を修飾する手段としてはアンチセンスが有名であるが,その1つにリボザイムがある.本稿ではこのリボザイムの造血器腫瘍への治療応用について概説する.
分子生物学的手法の導入により発癌機構の解明は急速に進歩し,癌遺伝子の発現および癌抑制遺伝子の異常が発癌の一因を担うこと,またこれらがシグナル伝達系や細胞周期と密接にかかわりあうことが明らかにされてきた.造血器悪性腫瘍の領域においても,これらの分子生物学手法が研究および臨床面において,染色体異常と発癌,薬剤耐性とその克服,微量残存病変の検出と治療の評価・治療方針決定などさまざまに応用されてきた.しかし治療に関しては現在までのところ化学療法および骨髄移植などの抗癌剤を主体としたtotal cell killの概念に基づく腫瘍細胞の根絶を目的とする治療が中心となっており,発癌機構に立脚した,新しい観点からの治療法の確立が期待されている.近年の分子生物学的研究から特定の造血器悪性腫瘍の発症には特定の遺伝子異常が密接に関係していることが解明され,これを治療へ応用しようとする試みがさまざまになされている.遺伝子発現を修飾する手段としてはアンチセンスが有名であるが,その1つにリボザイムがある.本稿ではこのリボザイムの造血器腫瘍への治療応用について概説する.
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