文献詳細
文献概要
今月の主題 白血病・最近の進歩 話題
白血病の転写因子異常
著者: 木崎昌弘1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科
ページ範囲:P.320 - P.322
文献購入ページに移動1.はじめに
細胞内の情報伝達機構は,最終的には核内の転写機構に集約するものと考えられるが,この真核細胞の転写制御の研究は分子レベルで驚異的に進展している.その中心となる研究は,遺伝子の発現制御にシスに働く制御配列の決定,その配列に結合して機能する転写因子の同定であるが,これらは,in vitroでの転写再構成系の実験の進展あるいは酵母の系でのtwo-hybrid systemの開発,トランスジェニックマウス,ノックアウトマウスの作製といった技術開発により,さらに研究が進歩している.また,転写因子の機能が明らかになるにつれ,転写因子による制御機構の破綻によって生じる疾患も次第に明らかにされつつある.本稿では造血に関与する種々の転写因子と白血病における転写因子の異常について概説したい.
細胞内の情報伝達機構は,最終的には核内の転写機構に集約するものと考えられるが,この真核細胞の転写制御の研究は分子レベルで驚異的に進展している.その中心となる研究は,遺伝子の発現制御にシスに働く制御配列の決定,その配列に結合して機能する転写因子の同定であるが,これらは,in vitroでの転写再構成系の実験の進展あるいは酵母の系でのtwo-hybrid systemの開発,トランスジェニックマウス,ノックアウトマウスの作製といった技術開発により,さらに研究が進歩している.また,転写因子の機能が明らかになるにつれ,転写因子による制御機構の破綻によって生じる疾患も次第に明らかにされつつある.本稿では造血に関与する種々の転写因子と白血病における転写因子の異常について概説したい.
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