icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻6号

1997年06月発行

文献概要

今月の主題 感染症における病原因子 話題

バイオフィルム感染症

著者: 公文裕巳1

所属機関: 1岡山大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.684 - P.685

文献購入ページに移動
1.はじめに
 感染症治療の現場において,薬剤感受性成績から考えて十分な治療効果が期待できる抗菌薬を使用したにもかかわらず,十分な効果が得られずに除菌されなかったり,また,いったん除菌されたにもかかわらず,きわめて短期間に同一細菌による再燃が生じたりすることは少なからず経験することである.同様に,生体医用材料や異物が原因となる感染症では,これらの医用材料や異物を除去しない限り感染症が治癒しないこと,ないし,単に除去するだけで感染症が治癒することがあることも従来から知られていた.近年,これらの感染症における不可解な病態の本体が感染病巣局所に形成される細菌バイオフィルムであり,単に医用材料などが関与する感染症のほかにも,種々の難治性感染症の発症,ならびに,病態の修飾と治療抵抗性に関与することが明らかになってきた1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?