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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻6号

1997年06月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

嚢胞性線維症

著者: 吉村邦彦1 飯塚佐代子1 安斎千恵子1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学DNA医学研究所遺伝子治療研究部門

ページ範囲:P.692 - P.697

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嚢胞性線維症の臨床像
 嚢胞性線維症(cystic fibrosis;CF)はコーカサス系白人種においてきわめて頻度の高い常染色体劣性遺伝性疾患である1).CFは肺,膵臓,消化管,性腺など全身の多くの外分泌腺臓器を冒す疾患であり,なかでも慢性副鼻腔炎,気管支拡張症,粘稠な気道内分泌物を伴う難治性下気道感染症(多くがムコイド型緑膿菌による),呼吸不全などを呈する呼吸器病変はCF患者の死因の9割以上を占める重要な病態である1).また多くの症例で胎児期から膵管の閉塞が起こり,出生後の脂肪性下痢や,発育不全などの膵外分泌機能不全を招来するほか,約5~10%の新生児は胎便イレウスを合併する.さらに胆汁性肝硬変,男子不妊なども高頻度に認められる.
 一方,臨床検査上特徴的な所見として,CF患者の98%において汗中の塩素イオン(Cl)濃度が60 mEq/1以上の高値を示すことが挙げられ,古くから重要な診断基準として用いられてきた1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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