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文献詳細

雑誌文献

臨床検査41巻6号

1997年06月発行

文献概要

トピックス

IgA腎症の病因抗原としてのHaemo-philus parainfluenzae菌体外膜抗原

著者: 鈴木亨1 下条文武1 木村秀樹2

所属機関: 1福井医科大学医学部臨床検査医学講座 2福井医科大学検査部

ページ範囲:P.700 - P.702

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 IgA腎症は,世界で最も頻度の高い原発性糸球体腎炎として認識され,日本の糸球体腎炎のおそらく半数近くを占めると考えられており,年間約5,000~6,000人のIgA腎症患者が末期腎不全に陥り透析導入されていると考えられる.しかし,IgA腎症に対する有効な治療法が確立されていない.その最大の理由としては,IgA腎症を惹起するIgA型免疫複合体の抗原自体が不明であることが挙げられる.
 現在までに得られた知見を総合すると,IgA腎症における成因は,(1)自己免疫説,(2)ウイルス説,(3)細菌説,(4)食物抗原説,などが主流である.IgA腎疽の発症機序としては,遺伝的にIgA産生が亢進している状態が存在し,原因抗原に対して過剰の免疫反応を生じる結果,IgA抗体産生が亢進して,原因抗原とIgA型免疫複合体を形成し,それが糸球体に沈着を繰り返すことによりIgA腎症を惹起すると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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