icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻1号

1998年01月発行

文献概要

今月の主題 骨髄腫細胞とその産生蛋白 巻頭言

多発性骨髄腫

著者: 加納正1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科血液病態学

ページ範囲:P.7 - P.13

文献購入ページに移動
 骨髄腫は主として骨髄における形質細胞の単クローン性腫瘍性増生とその産生物であるM成分(M-component)の存在によって特徴づけられる疾患である.しかし,M成分は骨髄腫の疾病特徴的(pathognomonic)所見ではない.M成分が証明されても,特に少量で安定した経過を示す場合は,monoclonal gammopathy of undeter-mined significance (MGUS)として経過観察にとどめる.一方,M成分が証明されない骨髄腫(非産生型,非分泌型)が存在する.
 世界一の長寿国となったわが国では,死亡率の低下に伴う高齢者人口の増加により,骨髄腫の死亡率の上昇が注目されている.今日のわが国においては,骨髄腫はまれな疾患ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?