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今月の主題 骨髄腫細胞とその産生蛋白 総説
検査からみた骨髄腫の病態
著者: 和泉透1
所属機関: 1自治医科大学血液学
ページ範囲:P.47 - P.52
文献購入ページに移動 検査からみた骨髄腫の病態について,血液学的異常,高カルシウム血症,サイトカインの異常の観点から概説した.血液学的異常のうち最も頻度の高いものは貧血で,その機序として骨髄腫細胞による正常造血の抑制,腎障害,サイトカインの異常などが関与している.また出血傾向をきたす機序についても概説した.骨髄腫における高カルシウム血症の機序として局所的な骨破壊のほか,腎障害,副甲状腺ホルモン関連蛋白やサイトカインの関与も推定される.骨髄腫の病態に関与するサイトカインとして,インターロイキンー1,インターロイキンー6,肝細胞増殖因子などを中心に,測定の意義も含め述べた.予後因子としての意義,治療法の選択,骨代謝との関係などについて,今後検討を要すると思われる.
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