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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻1号

1998年01月発行

文献概要

今月の主題 骨髄腫細胞とその産生蛋白 症例

IgD型MGUS

著者: 木下朝博1

所属機関: 1名古屋大学医学部第1内科

ページ範囲:P.95 - P.97

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1.はじめに
 骨髄腫,原発性マクログロブリン血症,原発性アミロイドーシスやリンパ増殖性疾患などの証拠を欠く単クローン性免疫グロブリン血症をmonoclonal gammopathy of undeterminedsignificance (MGUS)と言う1,2).血清M蛋白としてはIgG, IgA, IgM, IgDの各型が認められる.同様に尿中のみに少量のベンスジョーンズ蛋白(BJP)を認めるものの,多発性骨髄腫やマクログロブリン血症,アミロイドーシスなどの合併を認めないMGUSと類似の病態も報告されており,"良性"ベンスジョーンズ蛋白尿,ないしは"特発性"ベンスジョーンズ蛋白尿と呼ばれる3).これらの患者の約20%は多発性骨髄腫やアミロイドーシスに進展することが知られており,このためMGUSは前骨髄腫状態と考えられる.
 IgD型骨髄腫は骨髄腫の中ではまれな病型であり,全骨髄腫のうち約1~2%を占める.血清M蛋白量は他の病型に比較して少量であるが,一方,その臨床像はより悪性度が高く,ベンスジョーンズ蛋白尿,腎機能障害,髄外病変やアミロイドーシスを高頻度に伴い予後不良とされる3~6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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