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コーヒーブレイク
同期の桜
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.1083 - P.1083
文献購入ページに移動 戦時中に"同期の桜"という歌が海軍などではやった."貴様と俺とは同期の桜"という歌詞で始まる一種の哀調を帯びた歌で,戦後までも歌われた.私たちの年代も,小学校入学時満州事変,旧制中学校入学時支那事変,太平洋戦争の始まった次の年に旧制高等学校入学,大学入学の翌年に敗戦という文字どおり軍国日本の申し子のような年代であった.
今年の春は相次いで中,高,大学のクラス会があったので丹念に出席し,つらつら同期の桜の顔を眺めてきた.彼らは皆,大正末期の生まれで,戦争に縁があったのに比較的自由主義で,大正ロマンの残党というしかない仲間であった.あまり凝り固まった人間がいないのは,どうせ若死にしなければならないという諦観があり,団塊時代の若者にみられるような競争心が少なく,立身出世主義でもなかったせいであろう.
今年の春は相次いで中,高,大学のクラス会があったので丹念に出席し,つらつら同期の桜の顔を眺めてきた.彼らは皆,大正末期の生まれで,戦争に縁があったのに比較的自由主義で,大正ロマンの残党というしかない仲間であった.あまり凝り固まった人間がいないのは,どうせ若死にしなければならないという諦観があり,団塊時代の若者にみられるような競争心が少なく,立身出世主義でもなかったせいであろう.
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