icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻10号

1998年10月発行

今月の主題 蛋白尿の病態解析

新しく登場した尿マーカー蛋白

Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド

著者: 曽根照喜1 福永仁夫1

所属機関: 1川崎医科大学放射線科(核医学)

ページ範囲:P.1116 - P.1118

文献概要

1.骨吸収マーカーとコラーゲン架橋
 骨はつねに吸収と形成とを繰り返すことにより,再構築を営んでいる.骨吸収により骨が分解された際に,血中,尿中に排泄される物質は骨吸収の指標となり,骨吸収マーカーと呼ばれる.骨吸収マーカーには古くからハイドロキシプロリンが知られているが,骨に対する特異性など種々の問題点があり,新しいマーカーの開発が望まれていた.
 コラーゲン線維は分子同士が架橋によって結合され,その構造が保持されている.1980年前後にかけて,この架橋にかかわるアミノ酸(ピリジノリンとデオキシピリジノリン)が相次いで構造決定された.これらの架橋構造はコラーゲン分子のN末端およびC末端部分にみられ,新生されたコラーゲンが骨基質に取り込まれた後に生成される.また,骨形成時には存在せず,骨吸収による骨破壊に伴って放出される.さらに,皮膚のコラーゲンには含まれないなどの特徴を有し,特異性の高い骨吸収マーカーとして注目され始めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら