文献詳細
文献概要
今月の主題 蛋白尿の病態解析 新しく登場した尿マーカー蛋白
Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド
著者: 曽根照喜1 福永仁夫1
所属機関: 1川崎医科大学放射線科(核医学)
ページ範囲:P.1116 - P.1118
文献購入ページに移動1.骨吸収マーカーとコラーゲン架橋
骨はつねに吸収と形成とを繰り返すことにより,再構築を営んでいる.骨吸収により骨が分解された際に,血中,尿中に排泄される物質は骨吸収の指標となり,骨吸収マーカーと呼ばれる.骨吸収マーカーには古くからハイドロキシプロリンが知られているが,骨に対する特異性など種々の問題点があり,新しいマーカーの開発が望まれていた.
コラーゲン線維は分子同士が架橋によって結合され,その構造が保持されている.1980年前後にかけて,この架橋にかかわるアミノ酸(ピリジノリンとデオキシピリジノリン)が相次いで構造決定された.これらの架橋構造はコラーゲン分子のN末端およびC末端部分にみられ,新生されたコラーゲンが骨基質に取り込まれた後に生成される.また,骨形成時には存在せず,骨吸収による骨破壊に伴って放出される.さらに,皮膚のコラーゲンには含まれないなどの特徴を有し,特異性の高い骨吸収マーカーとして注目され始めた.
骨はつねに吸収と形成とを繰り返すことにより,再構築を営んでいる.骨吸収により骨が分解された際に,血中,尿中に排泄される物質は骨吸収の指標となり,骨吸収マーカーと呼ばれる.骨吸収マーカーには古くからハイドロキシプロリンが知られているが,骨に対する特異性など種々の問題点があり,新しいマーカーの開発が望まれていた.
コラーゲン線維は分子同士が架橋によって結合され,その構造が保持されている.1980年前後にかけて,この架橋にかかわるアミノ酸(ピリジノリンとデオキシピリジノリン)が相次いで構造決定された.これらの架橋構造はコラーゲン分子のN末端およびC末端部分にみられ,新生されたコラーゲンが骨基質に取り込まれた後に生成される.また,骨形成時には存在せず,骨吸収による骨破壊に伴って放出される.さらに,皮膚のコラーゲンには含まれないなどの特徴を有し,特異性の高い骨吸収マーカーとして注目され始めた.
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