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文献概要
今月の主題 蛋白尿の病態解析 新しく登場した尿マーカー蛋白
尿中Ⅳ型コラーゲン
著者: 前田敦子1 富野康日己1
所属機関: 1順天堂大学医学部腎臓内科
ページ範囲:P.1119 - P.1120
文献購入ページに移動1.はじめに
糖尿病性腎症の組織学的特徴は腎糸球体基底膜の肥厚およびメサンギウム領域の拡大であり,糸球体基底膜と同様に尿細管基底膜の肥厚も認められる1).基底膜に最も多く含まれている糖蛋白はコラーゲンであり,Ⅳ型コラーゲンは腎糸球体基底膜およびメサンギウム基質の主要な構成成分である.その産生異常が糖尿病性腎症や糸球体腎炎にみられる糸球体硬化に深く関与していると言われている.臨床的に微量アルブミン尿がみられない早期の糖尿病期から,組織学的変化は既に存在していると考えられている.つまり,免疫組織学的にも糖尿病性腎症の早期から糸球体にIV型コラーゲンの蓄積が認められている.
近年,血清中のⅣ型コラーゲンが,肝の高度な線維化を示す患者や細小血管症などの合併症を伴った糖尿病患者で高値を示すことが報告されてきた2).しかし,腎症ではクリアランスの低下を考慮する必要があり,腎内のコラーゲン代謝の変化を血清値で捉えることは困難である.そのため,尿中での正確な測定により腎内のコラーゲン代謝の変化をみる試みがなされている.
糖尿病性腎症の組織学的特徴は腎糸球体基底膜の肥厚およびメサンギウム領域の拡大であり,糸球体基底膜と同様に尿細管基底膜の肥厚も認められる1).基底膜に最も多く含まれている糖蛋白はコラーゲンであり,Ⅳ型コラーゲンは腎糸球体基底膜およびメサンギウム基質の主要な構成成分である.その産生異常が糖尿病性腎症や糸球体腎炎にみられる糸球体硬化に深く関与していると言われている.臨床的に微量アルブミン尿がみられない早期の糖尿病期から,組織学的変化は既に存在していると考えられている.つまり,免疫組織学的にも糖尿病性腎症の早期から糸球体にIV型コラーゲンの蓄積が認められている.
近年,血清中のⅣ型コラーゲンが,肝の高度な線維化を示す患者や細小血管症などの合併症を伴った糖尿病患者で高値を示すことが報告されてきた2).しかし,腎症ではクリアランスの低下を考慮する必要があり,腎内のコラーゲン代謝の変化を血清値で捉えることは困難である.そのため,尿中での正確な測定により腎内のコラーゲン代謝の変化をみる試みがなされている.
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