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今月の主題 蛋白尿の病態解析 話題
尿中HIV抗体の検出
著者: 石川榮治1
所属機関: 1宮崎医科大学第1生化学教室
ページ範囲:P.1130 - P.1132
文献購入ページに移動もう1つの問題は,IgM抗体の検出である.血清中lgM濃度はIgG濃度より低いうえに,IgMの分子量は,IgGのそれよりはるかに大きいので,尿中のIgM濃度は,IgGのそれよりいっそう低いことが予想される.従来から,HIV感染初期の診断には,IgM抗体の検出が役だつと言われてきたことから考えると,尿によるHIV感染診断の際のもう1つの弱点になると考えられる.しかし,われわれがseroconversion serum panelsをテストしたところでは,HIV感染の初期でも,ほとんどすべての例でIgM抗体の濃度よりIgG抗体のそれが高いので,従来のIgM抗体の検出によりいっそう早期にHIV感染の診断が可能になるという考え方は訂正の必要がある.
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