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文献概要
今月の主題 蛋白尿の病態解析 話題
尿蛋白の採尿容器への非特異吸着
著者: 原文子1 芝紀代子1
所属機関: 1群馬大学医学部保健学科 2東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
ページ範囲:P.1133 - P.1135
文献購入ページに移動尿中微量蛋白が近年,種々の疾患での早期診断の指標や,病態の把握,治療方針の選択,治療の効果,予後の判定に役立つことが明らかになったことから,アルブミン,トランスフェリン,そしてβ2―ミクログロブリンなどの蛋白が日常検査で測定されるようになった.
尿検体は多くの場合,外来あるいは病室で採尿した後,採尿容器に入れて検査室まで運ばれる.さらに検査室では,測定まで室温または低温に置かれる.測定までの時間は決して"迅速"ではないはずである.微量蛋白成分の測定意義が重要視されていることから,測定尿中の蛋白が微量であれば微量なほど,今まで無意識に用いていた採尿容器や試験管,サンプルカップなどの内面に,蛋白の吸着があってはならないと考えた.
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