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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻10号

1998年10月発行

文献概要

トピックス

モノクローナル抗体MOC-31の体腔液細胞診への応用

著者: 伊藤仁1 宮嶋葉子1 長村義之2

所属機関: 1東海大学医学部附属病院病理診断科 2東海大学医学部病態診断系病理学部門

ページ範囲:P.1154 - P.1155

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 体腔液中の癌細胞と反応性中皮細胞の鑑別にCEAやモノクローナル抗体Ber-EP 4などの上皮性マーカーが有用であることが知られている.しかしながら,これらのマーカーが陰性である癌症例も少なくない.
 近年,MOC-31と言われる上皮細胞を認識するモノクローナル抗体(Dako)が市販されている.本抗体が認識する抗原は,上皮細胞の細胞膜に認められる分子量40kDの細胞膜を貫通する糖蛋白であると言われているが,その機能についてはまだ明らかにされていない1).MOC-31は多くの上皮細胞と反応し,正常細胞では腎,子宮,乳腺,肝,前立腺,膵および消化管や呼吸器など多くの腺上皮細胞との反応が確認されている.また,中皮細胞では陰性を示すと言われており,体腔液細胞診における腺癌細胞と反応性中皮細胞との鑑別に有用である2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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