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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査42巻12号

1998年11月発行

雑誌目次

今月の主題 遺伝子多型と疾患

巻頭言

遺伝子多型と疾患

池田 康夫

pp.1491-1492

 テクノロジーの著しい進歩によって,DNA配列を直接的に決定することが比較的容易になり,その結果,ヒトゲノムは非常に多数のDNA多型を持つことが次第に明らかになってきた.DNA多型とはある集団でDNA配列の変異が1%以上に生じており,しかもその集団の多数の人と異なる場合と定義される.逆に言えば,ある集団の100人について,全員が同じDNA配列を示した場合,その遺伝子は多型でないと言う.機構からみれば多型は突然変異であり,対象とする集団によってその配列の変異は突然変異となったり,多型と定義されたりすることもあり得る.多型の多くは明らかな表現型の違いをもたらさないが,転写機構,mRNAの安定性,蛋白構造の変化などを通じて,その因子の量的,質的な微妙な変化をもたらす可能性がある.

 今,なぜ,遺伝子多型が注目されているのであろうか? これまで,先天性疾患の遺伝子異常については多くの知見が蓄積され,遺伝的疾患の分子生物学的解析に著しい進歩がもたらされたが,動脈硬化,高血圧,糖尿病,癌など非常に頻度の高い疾患においても罹りやすさ,病型などにおいても遺伝的背景の存在が示唆されており,その理論的な裏付けを求めようとする学問の流れが技術革新とあいまって加速されているのである.

総論

遺伝子多型とは

村田 満

pp.1493-1499

 遺伝子多型は集団の1%以上に認められる塩基の変異であり,生物機能に何ら影響を与えず遺伝マーカーとなるだけのものから,疾患の原因や疾患の易罹病性に関係するものまでさまざまである.特に近年,遺伝子多型はcommon diseaseの遺伝子危険因子となり得ることが明らかにされており,疾病予防や治療法の選択にも関係するため,その遺伝子診断はますます重要となってきている.

多因子病の病因としての多型

阿部 達生

pp.1500-1506

 多因子(遺伝)病はメンデル遺伝病(単一遺伝病)に対して用いられる術語であり,日常で出くわすほとんどの病気が含まれる.疾病は個体の遺伝的変異と環境要因の相互作用(gene-environment interaction)で成立する.遺伝的変異は換言すれば個体差であり,ある病気,例えば,高血圧や糖尿病に罹りやすいかどうかということを意味する.その機序を分子遺伝学的に解明するのは簡単なようできわめて難しく,21世紀医学の中心的な課題になると思われる.

遺伝子多型解析法

菅野 康吉 , 執行 雅紀 , 谷口 高広 , 深山 紀子

pp.1507-1517

 遺伝子多型の解析の多くは,従来Southern blot法により行われていた.ヒトゲノムプロジェクトの進歩によって,最近ではPCR法で解析可能な多数のマイクロサテライト型多型が利用可能となり,臨床検体を用いた解析技術は飛躍的に進歩している.これらの新しい多型マーカーの利用にはヒトゲノムに関する情報の把握が重要であり,多型解析の技術的問題に加え,インターネットを通じた遺伝子情報へのアクセスの方法などについても解説した.

各論:疾患と多型

p53遺伝子多型と悪性腫瘍

川尻 要

pp.1519-1522

 p53癌抑制遺伝子にはコドン72がアルギニン(Arg)およびプロリン(Pro)の遺伝的多型がある.p53遺伝子多型と発癌感受性について解析したところ,肺癌ではPro/Pro型が,胃癌ではArg/Arg型が高リスク型の遺伝子型であった.p53多型はHPVのウイルス蛋白E6による分解速度に影響を与え,子宮頸癌ではArg/Arg型が非常に高い発癌へのリスク要因であるという報告も最近なされた.

骨粗鬆症

細井 孝之

pp.1523-1526

 骨粗鬆症の病態において根幹となる低骨密度は複数の環境因子と遺伝因子によって決定される.遺伝因子を遺伝子レベルで探求する一環として骨代謝関連遺伝子を候補遺伝子として取り上げ,それらの多型性と骨量との関連を解析している.現在までに複数の遺伝子多型性が骨量と有意な関連を持つことが判明しており,骨粗鬆症の病態に多様性があることが示唆されている.

心筋症

木村 彰方

pp.1527-1532

 遺伝子多型は健常者集団中にも存在する遺伝子配列の相違であるが,アミノ酸置換を伴う多型も存在する.また,HLA遺伝子に象徴されるように,多型の存在に依存して,その遺伝子ないし蛋白の発現や機能が変化することがある.機能変化を伴う多型は,それ自身が単独で疾患の発症を規定するわけではないが,種々の遺伝子多型の相互作用によって疾患の病因や病態発現における個体差を規定し得る場合もあると考えられる.心筋症についても多型と疾患との関連が最近解析されており,病態修飾因子としての意義が議論されている.

血栓性疾患

松原 由美子

pp.1533-1538

 動脈硬化病変を基盤としそこに血小板や血液凝固因子が主体となって形成する動脈血栓は脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる.その成因には遺伝的因子と環境因子が複雑に絡み合っていると考えられている.近年,遺伝的因子として動脈硬化/動脈血栓症に関与する因子,すなわち,脂質代謝,血液凝固線溶,血管調節,血小板の遺伝子多型が動脈硬化/動脈血栓症の独立した危険因子として注目されている.それらの中には環境因子や年齢によって遺伝的素因の発現が影響を受ける遺伝子多型の報告があり,遺伝子多型と血栓症の関連の研究は,疾患と遺伝子型,さらに環境因子―遺伝子型との相互作用の検討により疾患の予防や診断,治療選択などへの臨床応用が期待されている.

アルコール依存症に関連する遺伝子多型

石黒 浩毅 , 有波 忠雄

pp.1539-1542

 アルコール依存症に関連している多型のある遺伝子は,ADH2およびALDH2遺伝子である.特にアジア人にみられるALDH2遺伝子多型の酵素欠損型対立遺伝子を持っている人は持ってない人に比べてアルコール依存症になる危険が1/5程度に小さくなる強い疾患抵抗性遺伝子である.一方,アルコール依存症にかかりやすい疾患感受性遺伝子の検索が世界中で行われているが,まだ,すべての研究者が認めるものは見つかっていない.

高血圧

佐藤 憲幸 , 檜垣 實男 , 荻原 俊男

pp.1543-1548

 本態性高血圧症の発症・進展には複数の環境因子,遺伝因子が関与しているため,1遺伝因子の影響を表出させることが困難であり,具体的な原因遺伝子は明らかになっていない.しかし,数ある候補遺伝子の中で,アンジオテンシノーゲン,GNB3,αアデューシン,eNOS遺伝子などが関与していると考えられている.なかでも,アンジオテンシノーゲン遺伝子は,ヒト集団を用いた検討,遺伝子改変マウスの作製,プロモーター領域の機能解析など複数の側面からの検討がなされ,遺伝子多型から高血圧発症への一連の病態が解明されつつある.

糖尿病

森 保道 , 門脇 孝

pp.1549-1555

 糖尿病の発症には,生活習慣などの環境因子に加えて遺伝子多型による遺伝要因が関与している.インスリン非依存糖尿病(NIDDM)との関連が示唆される10以上の多型のほとんどは,血糖調節の中心的なホルモンであるインスリンの膵β細胞からの分泌の過程もしくは骨格筋を中心としたインスリン標的臓器でのインスリン作用の過程に重要な遺伝子に認められている.

 インスリン依存糖尿病(IDDM)と関連する多型で最も重要な多型はHLA遺伝子で,自己免疫機序を介した膵β細胞の破壊に深く関与している.IDDMではゲノムマッピングが原因遺伝子解明に大きく寄与したことから,現在進行中であるNIDDMのゲノムマッピングに期待が寄せられている.

アルツハイマー病の分子遺伝学

成田 薫 , 佐々木 司

pp.1557-1560

 脳血管痴呆とともに痴呆性疾患の代表であるアルツハイマー病(アルツハイマー型痴呆を含む)では,これまで4つの原因(または関連)遺伝子が発見されている.まず家族性の早期発症型アルツハイマー病では,アミロイドβ蛋白前駆体(APP)遺伝子,プレセニリン-1遺伝子,およびプレセニリン-2遺伝子の3つの遺伝子が,それぞれの変異によって病気を引き起こすことが明らかにされている.また弧発例や晩期発症型の家族例でも,アポリポ蛋白E (ApoE)遺伝子の3つのタイプ(e2,3,4)のうち1つ(e4)が発症を早め,発病のリスクを高めることが確認されている.

話題

薬物代謝酵素の遺伝子多型

谷川原 祐介

pp.1561-1564

1.はじめに

 薬物に対する生体の反応性には個人差が認められ,同一用量を服用しても薬物血中濃度に大きな差を生ずることがある.その結果,副作用発現や治療効果に少なからず影響を及ぼすことになる.この原因として,肝・腎機能障害や薬物相互作用のように後天的要因によるものと,先天的に代謝酵素を欠損している遺伝的素因による場合がある.近年の分子生物学のめざましい進展は,ヒトゲノムにおける薬物代謝酵素のDNA塩基配列やその遺伝子変異の解明に大きく貢献し,薬物代謝能の遺伝的多型性が分子レベルで明らかにされつつある.

DNAチップ

川口 竜二

pp.1565-1570

はじめに

 遺伝子解析技術に対する,時代のニーズはより詳細に大量の情報を提供できる(high through-put)方向へとシフトしている.遺伝子解析の基本技術はブロッティングやゲル電気泳動であるが,最近の検査現場には,高速・高感度に多数量の検体を短時間に処理できる方法が導入されてきた.なかでも次世代技術として期待されるものの1つにDNAチップ法がある.DNAチップ法とは支持体としての小断片(チップ)上にそれぞれ異なる種類の短いDNA鎖(例えば,オリゴヌクレオチド)を整列して配置し,それと被検材料中の核酸を反応させることにより,目的の核酸あるいはその特異配列を検出する方法である.DNAチップは,多数のオリゴヌクレオチドを用いてハイブリダイゼーション法により,塩基配列を決定する技術,sequencing by hybridization (SBH)法,あるいはsequencing by hybridization witholigonucleotide matrix (SHOM)法で中心的な役割を演ずる支持体となる.DNAチップは別名で遺伝子チップ(ジーンチップ)とか,オリゴプローブを整列して(アレイ状で)用いることから,マイクロアレイ(マイクロチップ)とも呼ばれる.GeneChipTMがAffymetrix社の商標でもあるので,ここでは語彙をDNAチップに統一して話を進めたい.

ミトコンドリアDNAと長寿

田中 雅嗣

pp.1571-1575

1.ミトコンドリアDNAの構造

 心筋細胞の断面をみると,ミトコンドリアがその約1/3を占めている.心筋はエネルギーを作り出すミトコンドリアとエネルギーを消費するアクトミオシンがその体積の大部分を占めている.1個の細胞には数百個のミトコンドリアが存在し,それぞれのミトコンドリアには数個のミトコンドリアDNA (mtDNA)が存在するので,1つの細胞には数千コピーのmtDNAが存在している.mtDNAは16569塩基対からなる環状二重鎖DNAである.mtDNAには蛋白質を規定する13種の遺伝子と,ミトコンドリア内での蛋白質の合成に必要な2種のリボソームRNA遺伝子と,22種のトランスファーRNA遺伝子が存在している.核のDNAの大部分はイントロンで占められ,機能している遺伝子が占める割合は低いが,mtDNAはほとんどすべての部分が機能しており,その発現量は非常に大きい.

今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・11

特殊急性白血病(Mixed lineage leukemia)

栗山 一孝 , 朝長 万左男

pp.1486-1487

 mixed lineage leukemia (MLL)は,骨髄芽球とリンパ芽球が混在したり(bilineal type),白血病細胞が骨髄性とリンパ性の両方の形質を併せ持っている(biphenotypic type)タイプに大別される予後不良な急性白血病の一病型である.

 MLLは,免疫学的マーカー検索によって診断されることが多い.しかし,bilineal typeは,比較的大型の骨髄芽球あるいは単球成分と小型のリンパ芽球が混在し,形態学的観察が診断の契機になることが少なくない.典型的症例を図1に示す.中央下部の4個の細胞は中型から大型で核クロマチンは比較的繊細で核小体も認められ骨髄芽球と思われる.一方,上部2個と右側の細胞は小型で核クロマチンは豊富でリンパ芽球に見える.myeloperoxidase (MPO)染色(図2)では,右下部の中型芽球は陽性だが,リンパ芽球と思われる3個の小型芽球は陰性である.免疫細胞化学法によって,中型から大型芽球に骨髄性抗原(CD13, CD11など)を,小型芽球にBリンパ系抗原(CD19, CD22, CD10など)を確認した.形態学的にbilineal typeと思えても,免疫学的マーカーではbiphenotypic typeである症例も存在する.図3は,比較的大型から中型の芽球と小型芽球の混在が認められる.大型芽球の一部はMPO陽性であった.

コーヒーブレイク

親と子

屋形 稔

pp.1499

 何年か前発刊した私の第6エッセイ集"風と光と旅と"からとって当時の部下が退官後に光風会という名前でときどき飲み会を開いてくれるようになった.今年は信州大のS君が幹事で新緑の美が原付近の渓谷の宿であった.これはしかし彼らの可愛らしい子供たちつまり孫弟子でなく弟子孫たちの賑やかな顔合せ会の観を呈し,楽しい集いとなった.特にS君の息子の一人と自治医大のY君の息子の一人がお互い小学1~2年で同じ左利きのせいか気が合って,解散のとき離れたくないと泣き出す始末であった.

 ところで今の若い家族は常に行動をともにし,私たちの時代とかなり違うようである.私など仕事にかこつけて2人の子供たちと旅をともにした記憶もほとんどない.そのせいか彼らも結婚後は父の日などにもプレゼントを持ってきたこともないし,当方も老後の厄介になろうなどという気はさらさら起きないで今日に及んでいる.それでいいと思っていたが,弟子たちの家族を見ていると今様もいいものだとも思われる.私の伜も子供に甘い一方で困ったもんだと思っているが,それも一つの形なのかもしれない.ただ現代の子供たちはあまりに両親の腕の中が暖かすぎると社会に立ったとき無力な存在にならないかという危惧は去らない.

コンピュータ診療とゴキブリ

寺田 秀夫

pp.1532

われわれの病院も今年5月連休以降,医師の外来診療もすべてコンピュータを用いて行うことになった.数回の予備練習を行った後,いざ実際に始めたばかりのころは,マウスをクリックすることもぎこちなく,画面のクローズをせずに次の画面を開いたり,操作に戸迷うことのみで悪戦苦闘の日を繰り返し,何度か若い人々の助けを求めたものである.しかし検査項目の選択や結果,処方,輸血や骨髄穿刺・内視鏡の予約設定,次回診療予約まですべてシステムが正確に処理してくれるので,今更ながらコンピュータの偉力に驚いている,最近はだいぶ器機にも馴れて操作がおもしろくなってきたが,やっぱり1日30~40名の診療を終えると,しばらく眼の疲れを感ずるのは年齢のためであろうか?

 しかし,コンピュータ診療の最大の欠点は,患者さんの表情の変化や心の動きを察知するいわゆる問診・視診,さらに触診・聴打診など五感による診療がおろそかになり,患者さんと心の触れ合う面がややもすると欠けやすいことである.

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

マイクロサテライト多型の解析法

前川 真人 , 柏原 秀史 , 菅野 康吉

pp.1577-1584

マイクロサテライトとは

 マイクロサテライトというのは,1個から数個の塩基が複数回反復して繰り返されるような塩基配列のことで,CAという2塩基の繰り返しがよく利用される代表的なものである.マイクロサテライト型塩基配列は,ハプロイドゲノム当たり5万から10万個,つまり30から60kbpに1個の割合で存在する1).繰り返し数の種類が豊富なため,対立遺伝子間のヘテロ接合性が高く,遺伝子の連鎖の解析に有効である2).このマイクロサテライトを挟むようにプライマーを設定してPCRを行うと,繰り返し数に応じてPCR産物の長さが異なるため,変性条件下のポリアクリルアミド電気泳動で,増幅産物の多型性の有無を容易に判別可能である(図1).

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

白血病の遺伝子異常・1―bcr/ablキメラ遺伝子を中心に

北村 聖

pp.1585-1591

はじめに

 遺伝子診断の分野では,悪性腫瘍細胞の同定はきわめて重要な位置を占めている.特に末梢血中に悪性腫瘍が存在する白血病では,初期の診断,病型分類のみならず,治療後の残存微少白血病細胞の同定にはきわめて有用である.今回と次回で白血病細胞の遺伝子異常とそれを用いた臨床検査について概説する.表1に白血病でみられる転座型遺伝子異常と,これらの転座に関与している遺伝子の推定される機能をまとめて示す.

 前半の本号は慢性骨髄性白血病に見られるbcr/ablキメラ遺伝子を中心に述べる.

トピックス

バイオマーカー―食事摂取の指標としての活用

𠮷池 信男

pp.1592-1594

 バイオマーカー(biomarkerあるいはbiologi-cal marker)は,生体がさまざまな環境因子の曝露を受け,健康な状態から疾病状態に至る連続的な変化をとらえるための指標である.一般的には,①曝露の状況,②曝露がもたらす効果(生体変化),③曝露に対する個体の感受性に分類される1).疫学研究において,要因と疾病発症との間の因果関係を検討する際に不可欠な情報2)を,客観的な指標として,提供するものである(図1).

 ここで,曝露要因として"飲酒"を,疾病として"アルコール性肝炎"を例として考えてみよう."飲酒"すなわち"エタノールの経口的曝露"に関する情報は,呼気中や血中のエタノール濃度で,おそらく本人の申告よりも"客観的"に示される.また,エタノールパッチテストにより,個々人のアルデヒド脱水素酵素2型(ALDH2)の活性,すなわちエタノールに対する個体の処理能力に関して,ある程度判定ができる.一方,"健康な状態"から"アルコール性肝炎"に至る過程は,γGTP, GOT, GPT値などの連続的な変化によっても,とらえることができるだろう.

遠隔病理診断(telepathology)システム

白石 泰三

pp.1594-1595

 遠隔病理診断が通常の病理診断と異なる点は顕微鏡と診断者が距離的に離れていることである.顕微鏡画像を取り込み,別の地点でそれを表示できれば原則として遠隔病理診断は可能である.最近はパソコンを使用したテレビ会議システムが市販されており,これら利用すれば比較的安価に遠隔病理診断を行える.しかし,操作性と,術中迅速診断時などの信頼性を考慮すると,実際の運用には専用機の使用が便利である.送信側の装置は,通常,顕微鏡と画像入力装置,遠隔診断装置本体(パソコンとモニタおよび専用ソフトの組み合わせが一般的)から構成され,受信側は同じ診断装置で構成されている.画像の伝送にはNTTのデジタル回線(INS64)が最もよく使われている.

質疑応答 診断学

サイレントエイズの診断

平林 義弘 , 岡 慎一 , K生

pp.1596-1597

 Q HIVに感染していながら抗体が陽性とならないいわゆるサイレントエイズの診断方法をお教えください.また,サイレントエイズは感染して抗体が死ぬまで検出されないのでしょうか.

質疑応答 資格・制度

言語聴覚士の国家資格

杉本 啓子 , S生

pp.1597-1598

 Q 最近,臨床検査技師として耳鼻咽喉科の方で聴力検査をすることになりました.高齢者も多く捕聴器をつけるため,語音明瞭度の検査依頼も多くあります.そこで,言語聴覚士の資格を取得したいと思うのですが,どのようにすれば資格がとれるのかお教え下さい.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

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今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例

64巻5号(2020年5月発行)

今月の特集1 中性脂肪の何が問題なのか
今月の特集2 EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開

64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

64巻2号(2020年2月発行)

今月の特集1 検査でわかる二次性高血圧
今月の特集2 標準採血法アップデート

64巻1号(2020年1月発行)

今月の特集1 免疫チェックポイント阻害薬—押さえるべき特徴と注意点
今月の特集2 生理検査—この所見を見逃すな!

63巻12号(2019年12月発行)

今月の特集1 糖尿病関連検査の動向
今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

今月の特集1 生理検査における医療安全
今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

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今月の特集1 循環癌細胞(CTC)とリキッドバイオプシー
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62巻9号(2018年9月発行)

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今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

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今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

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今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

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今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

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62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
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60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
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60巻9号(2016年9月発行)

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今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

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今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

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60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

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今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
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59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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