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精神疾患との関連性がみられるボルナ病ウイルス
著者: 高橋宏和1 林宏恵1 渡辺真紀子1 生田和良1
所属機関: 1北海道大学免疫科学研究所血清学部門
ページ範囲:P.694 - P.695
文献購入ページに移動18世紀後半から,ドイツでウマに脳炎を起こす病気が知られていた.その後,ライプチヒの南の小さな町,ボルナでこの病気が流行し,この名前をとってこの病気は"ボルナ病"と名付けられた.
ボルナ病の原因ウイルスとして.ボルナ病ウイルス(BDV)がウマ脳から分離された.これを用いて,ヒツジ,ウシ,ネコ,ダチョウ,ロバ,ラバ,ラマなどにも自然感染していること,しかし多くは不顕性に感染していることが明らかになった.一方,1985年,ドイツのRottら1)により,精神疾患患者の血液や脊髄液中にBDVに対する抗体が存在することが報告され,ヒト内因性精神疾患との関連性について注目されるようになった.
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