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ヒト生体中D体アラニンの臨床的意義
著者: 中野幸弘1
所属機関: 1宝塚市立病院中央検査部
ページ範囲:P.697 - P.698
文献購入ページに移動 長い間,哺乳動物の生体内に存在するアミノ酸はL体だけであると信じられてきた1)ため,その異性体であるD体アミノ酸(DAA)に関する調査,研究はあまり行われてこなかった.
近年,ヒト生体中にDAAも微量ながら存在することが確認されるようになり,その存在意義についての検討が始まった.しかし,依然ヒト生体中のDAAは腸内細菌が産生したものが並行して吸収されたものであると考えられており2),積極的な代謝がなされていると認められたわけではない.そのような中で,Nagataらが血中濃度を測定してこれが腎機能を反映しているのではないかと報告3)し,臨床的な意義を見いだすことに先鞭をつけた.さらに,脳内において非酵素的にラセミ化が進行するという仮説に基づいて,D体アスパラギン酸の濃度とアルツハイマー症とに因果関係があることを示唆し4),複数の外国の研究者も同様の事実を見つけている.
近年,ヒト生体中にDAAも微量ながら存在することが確認されるようになり,その存在意義についての検討が始まった.しかし,依然ヒト生体中のDAAは腸内細菌が産生したものが並行して吸収されたものであると考えられており2),積極的な代謝がなされていると認められたわけではない.そのような中で,Nagataらが血中濃度を測定してこれが腎機能を反映しているのではないかと報告3)し,臨床的な意義を見いだすことに先鞭をつけた.さらに,脳内において非酵素的にラセミ化が進行するという仮説に基づいて,D体アスパラギン酸の濃度とアルツハイマー症とに因果関係があることを示唆し4),複数の外国の研究者も同様の事実を見つけている.
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