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今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・7
急性骨髄性白血病(AML-M6)
著者: 栗山一孝1 朝長万左男2
所属機関: 1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野 2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設
ページ範囲:P.724 - P.725
文献購入ページに移動最近,まれに増殖芽球が赤血球系の芽球(earlyerythroblast)で占められる‘variant’M6あるいはacute erythroblastic leukemiaと呼ばれるタイプが認識されるようになってきた.芽球は大型で原形質は好塩基性が強く,一見前赤芽球に似通った形態をしている(図4).ときに,原形質に空胞を有し,細胞変形が強い芽球が主体を占める症例から赤芽球まで成熟傾向を示す症例まで存在する.特殊染色および免疫学的マーカーでは,glycophorin Aをはじめとする各種赤血球系抗原陽性,骨髄顆粒球系のゴールデンマーカーであるMPOは陰性,CD13も陰性のことが多くときにCD33が陽性となる.また,HLA-DRは陰性である.血小板gp Ⅳ/thrombospodin受容体であるCD36は血小板系や単球にも証明されるが,むしろ赤芽球系細胞に強く発現しこの病型の芽球でも陽性である.さらに酸性ホスファターゼやPAS染色が陽性となる(図5).多くの症例で芽球はエリスロポエチンに反応してコロニー形成をするし,エリスロポエチン添加短期間液体培養が可能である.筆者らが経験した症例あるいは症例報告から判断すると化学療法に難治性と思われる.
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