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今月の主題 多発性内分泌腫瘍症(MEN) 総説
MENの遺伝子変異と疫学
著者: 吉本勝彦1
所属機関: 1徳島大学医学部臨床分子栄養学
ページ範囲:P.751 - P.757
文献購入ページに移動 わが国では,これまでにMEN1, MEN2A, MEN2B症例は,それぞれ143例,179例,27例が報告されている.それらの臨床像は欧米の報告と大きな違いは認められない.最近単離されたMEN1遺伝子の変異はエクソン2から10にかけて広範囲に存在し,機能消失をきたす変異である.腫瘍ではMEN1遺伝子の胚細胞性変異とともに,正常の対立MEN1遺伝子の欠失が認められ,腫瘍抑制遺伝子としての機能を消失する.MEN2A, MEN2Bでは癌遺伝子であるRET遺伝子の特定の部位に機能獲得につながる胚細胞性変異のみで腫瘍が生じる.遺伝子診断によりMEN2A, MEN2Bの保因者は早期に予防的甲状腺全摘術を受けることが可能である.
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