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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻7号

1998年07月発行

文献概要

今月の主題 多発性内分泌腫瘍症(MEN) 話題

Carney症候群

著者: 相羽元彦1

所属機関: 1東京女子医科大学第二病院病院病理科

ページ範囲:P.793 - P.796

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1.はじめに
 Carney症候群(CC)1)は,心臓や皮膚そのほかの部位の粘液腫,皮膚色素沈着症(黒子や雀卵斑様病変,類上皮性青色母斑2)と,内分泌腫瘍やホルモン過剰症が患者またはその家族に発生する1985年に提唱された新しい症候群である(表1).若年発症と多発性・両側性病変がしばしば特徴的で多発性内分泌腫瘍症の一員と考えることができる.症例・家系により内分泌病変が前面に出ているもの,皮膚病変が主体のものなど多様であるが,原発性副腎皮質小結節性異形成(PAMD)によるCushing症候群を中心とした内分泌病変と,突然死の原因となる心粘液腫,まれながら甲状腺癌や,転移を示す砂粒小体メラニン産生神経鞘腫,悪性型もある大細胞石灰化Sertoli細胞腫3)といった悪性腫瘍がCCの構成要素にあることが重視される.表1に示した他の病変もCCの診断的意義が高い.現在もCCを構成する新たな疾患や組織学的特徴が明らかにされている.CCの半数は家族性,残りは散発性である.ここでは,CCの遺伝子異常に触れ,PAMDを中心とした内分泌病変と心臓の粘液腫について記述する.Carney症候群の全体についての記述は文献を参照されたい1,4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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