icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻8号

1998年08月発行

文献概要

今月の主題 受容体 総説

受容体とシグナル伝達

著者: 多田尚人1 網野信行1

所属機関: 1大阪大学医学部臨床検査診断学

ページ範囲:P.845 - P.853

文献購入ページに移動
 生体内のすべての細胞はホルモンやサイトカイン,神経伝達物質などの細胞外情報伝達分子による信号によって,調和の取れた働きをするようその機能を制御されている.細胞応答のダイナミックスはあまりに複雑で得られている知識は断片的なものにすぎない.受容体は,大きく2つの群に分けられる.1つは,細胞膜表面にある受容体で,一般に水溶性のリガンドが結合することにより活性化して細胞内に情報を伝達する.受容体以降の機構としてGTP結合蛋白をシグナルトランスデューサーとしてcAMP増加からAキナーゼを活性化する系,PIレスポンスから細胞内Ca濃度増加とCキナーゼを活性化する系,イオンチャンネルを制御する系,またチロシンキナーゼによるチロシンリン酸化を主とする系などがある.もう一群は,細胞膜を透過する脂溶性のホルモンをリガンドとする細胞内にある受容体である.作用は遺伝子の転写がされ,翻訳されて支配下にある蛋白質が合成されてからその蛋白質の働きとして現れる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?