文献詳細
文献概要
シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編
発蛍光プローブとその応用
著者: 石黒敬彦1
所属機関: 1東ソー株式会社東京研究所
ページ範囲:P.898 - P.904
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DNAは相補的な塩基同士で結合し,二本鎖を形成して安定化しようとする性質を有する.そこで,その高い特異的な認識能力を細菌やウイルスの臨床検査に応用しようという試みがなされてきた.特に,polymerase chain reaction (PCR)法の登場は,従来は高感度なイムノアッセイをもってしても容易ではなかったHIVやHCVなど血液試料中の微量なウイルスそのものの検査をより身近なものとした.
しかしながら,これまで,増幅産物の分析には電気泳動やHPLCなどの分離手段を直接用いる以外には,蛍光物質や酵素を末端に標識したDNAオリゴマーをビーズや膜などの固相上で標的核酸とハイブリダイゼーションさせるプローブハイブリダイゼーション法が一般的であった.しかし,この場合も未反応のプローブは固相から除去する必要があり,多数の検体を処理する臨床検査の現場への適応には操作が煩雑で時間もかかり,また自動化も容易ではない.
DNAは相補的な塩基同士で結合し,二本鎖を形成して安定化しようとする性質を有する.そこで,その高い特異的な認識能力を細菌やウイルスの臨床検査に応用しようという試みがなされてきた.特に,polymerase chain reaction (PCR)法の登場は,従来は高感度なイムノアッセイをもってしても容易ではなかったHIVやHCVなど血液試料中の微量なウイルスそのものの検査をより身近なものとした.
しかしながら,これまで,増幅産物の分析には電気泳動やHPLCなどの分離手段を直接用いる以外には,蛍光物質や酵素を末端に標識したDNAオリゴマーをビーズや膜などの固相上で標的核酸とハイブリダイゼーションさせるプローブハイブリダイゼーション法が一般的であった.しかし,この場合も未反応のプローブは固相から除去する必要があり,多数の検体を処理する臨床検査の現場への適応には操作が煩雑で時間もかかり,また自動化も容易ではない.
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