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脂肪組織からクローニングされた新たな遺伝子

著者: 栗山洋1 松澤佑次1

所属機関: 1大阪大学医学部第2内科

ページ範囲:P.913 - P.916

1.はじめに
 過剰な栄養摂取,運動不足に傾いている現代社会においては,脂肪の過剰蓄積,すなわち肥満による,糖尿病,高脂血症,高血圧やこれら危険因子の集簇による動脈硬化疾患の発症が問題となっており,特に腹腔内内臓脂肪の蓄積がこれらの疾患発症に深くかかわっていることが明らかになってきた1~6).さらに最近の細胞生物学的研究により脂肪細胞は単なるエネルギー貯蔵臓器ではなく,さまざまな生理活性物質を分泌する代謝的に活発な臓器であることが明らかになり,脂肪蓄積に伴う疾病発症の分子機構の解明に新たな展開が生まれつつある.筆者らは脂肪組織の未知の機能を解明するため,脂肪組織発現遺伝子プロファイルを作成し,脂肪組織に特異的に発現する新規遺伝子のクローニングを試みてきた.本稿では,筆者らが最近,脂肪組織からクローニングした2つの新規遺伝子について解説する.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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